・・・イエスは彼らに言われた。「わたしについて来なさい。あなたがたを、人間をとる漁師にしてあげよう。」彼らはすぐに網を捨てて従った。・・・イエスはガリラヤ全土を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、民の中のあらゆる病気、あらゆるわずらいを直された。・・・(マタイの福音書4章18節 〜25節)
・・・イエスは十二弟子を呼び寄せて、汚れた霊どもを制する権威をお授けになった。霊どもを追い出し、あらゆる病気、あらゆるわずらいを直すためであった。(マタイの福音書9章35節 〜10章1節)
今回、兄弟姉妹の捧げ物と祈りに支えられて、インドへと出かけることができ、インドの方々と直接にお会いし、イエスの恵みと祝福を現実生活の中に具体的に生きて働くものとして伝えることができたことを心から感謝しています。
私たちは、インドにいる、癒され救われるべき人々のために福音を宣べ伝えようと、伝道の働きをしますが、でも、福音を証ししていくときに、私たちの側も神によって恵みを与えていただけるから感謝します。
今日は、神の御業が次々と起こされていくための私たちの信仰の原型、原点というものを、このイエスの物語から学んでいきたいと思うのです。
1.イエスがされた信仰の原点とは
イエスご自身の働きは、神のお言葉をひもといて人々に教えること、神の救いが実現したという福音の到来を宣べ伝えること、そして目の前の病める者たちを癒されることでした。
イエス・キリストは救い主として、神のお言葉を教え、福音の到来を宣言し、目の前の病める者たちを癒し悪霊につかれた者たちを解放する。救い主としての基本の御業を主はその場で行なわれました。ご自身に与えられた父なる神への信仰をもって、救い主としての働きの基本をなして下さったのです。
2.確実に何かが起こる信仰
イエスが手を置いて人々のために祈られたときに、ただ、祈ったという事実、癒しを宣言したというだけではなく、ありとあらゆる様々な病、わずらい、痛み、悪霊の支配から人々は事実癒され、解放されていきました。
一言で言うならば、キリストがそこにおられたときに、確実に何かが起きたのです。
信仰とは単なる想像や理屈、理論の世界ではありません。本当に何かが起こる伝道、それが原点だったのです。
3.キリストは常に働き手を求めている
イエスは12弟子になる者たちに声をかけられました。そして、伝道の原点としての働きが実際に成されたときに、イエスは12弟子に同じ権威を授けて送り出されました。
信仰の原型、原点として、イエスの、イエスらしい、救い主である御業、神の御業が行なわれるときに、この救い主の働きに参加する人々を招いておられるのです。
インド伝道においてインドの人々だけが祝福されるのでなく、それに関わる私たちも神からのチャレンジを受けたいのです。このような素朴な伝道に取り組むときに学ばされることは、私たちの信仰を伝道の原点に引き戻すということです。それは、イエスによって私たちの魂が変えられるという体験をすることです。救いや癒し、神でなければ行なうことができない御業が溢れている教会でありたいと思うのです。
私たちの抱えている必要の中で恵みを祈り求めるときに、祈り求めて終わりではなく、何かが起こるところまでキリストにこだわって祈る者でありたいのです。
自分自身の家族のために祈る時に、自分の病の回復のために祈るときに、仕事の祝福のために祈るときに、何かが起こることを本当に体験し、求めていきましょう。
あなたの信仰の中にもクリスチャンだからこその救い主であるイエスがそこにおられる信仰をお持ち下さい。
クリスチャンである私たちはキリストの側に立つ者として変えられ、弟子として用いられたいと思うのです。いつまでも哀れんでもらって癒される側や、単にイエスの御業を見物して、ああだ、こうだと評論している外部の者ではなく、イエスと共にイエスの側に立ち、神の御業を人々に伝えていく一人一人でありたいのです。
それはすなわち、あなたの周りの人々が救われ、癒され、心の中からの平安と笑顔が伝えられ、あなたの祈りで事態が変わっていき、人々がどんどん祝福されていくことです。
私たち一人一人がキリストの力をいただいて恵まれる者へと変えられていきましょう。
海外伝道はいつも私に、信仰は、まず素朴な原点に立ち返るべきだということを教えてくれます。それはイエス・キリストの示された伝道の原点でもあります。
今日、あなたの信仰を原点に立ち返らせて下さい。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。