インドには、ベンガル人、タミル人、マラヤ人、グジャラート人など、さまざまな民族からなる多様なイスラム教徒がいる。それぞれの集団は独自の文化、言語、宗教的慣習を持っている。しかし、インドで最も支配的なイスラム教徒の民族集団は、ウルドゥー語を話すイスラム教徒であり、彼らは主にインド北部に集中している。
ウルドゥー語を話すイスラム教徒の文化は多様で、インド、パキスタン、バングラデシュ、アフガニスタン、イラン、中東の一部など、さまざまな地域や国のイスラム教徒がウルドゥー語を話している。文化はイスラムの伝統や価値観に大きく影響されているが、地域の習慣や伝統も取り入れられている。ウルドゥー語地域の文学、詩、音楽、料理は、彼らの文化の重要な側面を担っている。
ウルドゥー語を話すイスラム教徒の人口は、多くの地域や国境にまたがっているため、推計するのが難しい。ウルドゥー語はパキスタンの国語だが、インドのウルドゥー語話者も、ほとんどの人が第二、第三言語ではなく、第一言語の母語としてウルドゥー語を話す。また、インド、バングラデシュ、アフガニスタンにもウルドゥー語を話すイスラム教徒がかなりいる。全体としてウルドゥー語話者の数は、世界中に2億3千万人はいると推定されている。
ウルドゥー語発祥の地である北インドでは、ほとんどのウルドゥー語話者が生まれながらの市民である。しかし、ウルドゥー語圏の各地では、嫌がらせや差別に直面するイスラム教徒が増えている。近年のインドでは、ヒンズー教ナショナリズムが台頭し、キリスト教やイスラム教などの非ヒンズー教の共同体は疎外され、迫害に直面している。イスラムを標的にした共産主義的暴力や暴動が増加し、ウルドゥー語を話すムスリムは将来への不安と恐怖にさいなまれているという。
このラマダン中のウルドゥー語話者のムスリムたちが、福音を聞くことができるように祈ろう。ヒンズー教徒とイスラム教徒が平和のうちに共に生きることができるように、またクリスチャンが彼らの間で平和をつくり出す者となることができるように、ウルドゥー語話者が住む全ての国と地域で主イエスの教えに触れることができるよう祈っていただきたい。
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