ローマ教皇ベネディクト16世は26日、バチカンのサンピエトロ広場で行った説教で、イラクとインドでキリスト教徒の殺害が続いている事態を非難し、保護を呼びかけた。AP通信が伝えた。
インドでは今年8月下旬からヒンドゥー教過激派による暴動が続いている。キリスト教徒への暴行、教会への放火、破壊などの被害が後を絶たず、これまでに少なくとも38人が死亡し、オリッサ州東部だけでも5万人のキリスト教徒が避難を強いられている。
一方、イラクではここ数週間、イスラム教過激派によるとされる襲撃でキリスト教徒十数人が死亡し、1万3000人以上が避難を強いられるなどしている。これに対しては先日、キリスト教とイスラム教の両指導者36人が共同で迫害を非難する声明を発表している。
同通信によると、説教の中で教皇は、政界及び宗教界の指導者らに対し、残酷な暴力行為の犠牲となっているアジア諸国のキリスト教徒に対する保護を呼びかけるとともに、キリスト教徒が求めているのはこれまで通り各国で他の住民と共存することであると強調した。