・・・ビテニヤのほうに行こうとしたが、イエスの御霊がそれをお許しにならなかった。それでムシヤを通って、トロアスに下った。ある夜、パウロは幻を見た。ひとりのマケドニヤ人が彼の前に立って、「マケドニヤに渡って来て、私たちを助けてください。」と懇願するのであった。・・・神が私たちを招いて、彼らに福音を宣べさせるのだ、と確信したからである。(使徒の働き16章6節〜10節)
北京オリンピックが終わりました。勝者にも敗者にもそれぞれの物語があります。そしてクリスチャンには、人としての努力や偶然を超えて、私たちを愛し十字架の上でいのちを捨てて下さったイエスの愛があるから、神の物語が展開していくのです。想像もできなかった一歩先の世界へと神と共に歩ませて頂けるから感謝です。この聖書箇所から、神のストーリーを歩む人生を味わいましょう。
1.常に一歩先が存在している
クリスチャン生活には常に神が備えて下さる一歩先の新しい世界があります。
パウロの生涯には、3度の伝道旅行と囚人としてローマへ護送される4度目の伝道の旅がありますが、この話は2度目の伝道旅行のことです。このとき初めて、いわゆるアジヤと呼ばれる地域からヨーロッパへと福音が宣べ伝えられた画期的な出来事が起こったのです。
パウロは、常に無計画に伝道に出たのではありません。非常に頭の良い知的な人物ですので、熟考の上伝道していました。しかし、彼の考えや計画を超える一歩先を神は用意して下さいました。聖霊によって彼らの伝道のコースは変わり、予定しない地域にまで伝道したのです。
パウロの伝道旅行のすばらしさは、予想を超えた所へ神が導いて下さり、伝道の歩みを広げて下さったことです。そして感謝なことに、神は私たちにも、私たちの限界よりも更に大きな一歩先の新しい世界を用意して下さっているのです。
2.超自然的な導きがある
この箇所だけでなく、使徒の働き全体を注意深く読むならば、聖霊の働きを体験し、幻を見、主の声を聞き、御使いが現われるという、実にたくさんの超自然的な事柄が書かれていることがわかります。
使徒の働きとは、クリスチャンの生き方の記録です。ならば、クリスチャンである私たちの歩みの中にもパウロと同じように神が働いて超自然的な導きで勝利と力を現わして下さるのです。
パウロは各地で聖霊や幻を体験し、それを主からの導きと信じて出かけましたが、日本人の特性は、ときに神の働きを弱めているかもしれません。世界宣教に出て行くと、あちらこちらで韓国人の宣教師たちに会います。彼らは、神に導かれ押し出されて、何の準備もないところへたった一人で、熱意とやる気だけで伝道に出かけます。日本人の大好きなマニュアルや取り決めではなく、神によって導かれて聖霊により確信を与えられることをもう一度真剣に考えてみたいと思います。
神と共に歩む私たちの人生には、主の超自然的な導きがあることを知りましょう。
3.想像もつかない偉大な展開が起こる
パウロは世界最高の教育を受けておりましたから、当時の世界共通語であるギリシヤ語を使うことができました。ギリシヤ語の手紙を書き、それが聖書の多くの部分になり、ローマの市民権によって世界中を旅してギリシヤ人にもローマ人にも福音を語ることができました。
しかし異邦人伝道といっても、パウロの確信は、マケドニヤ人やギリシヤ人に福音を語ることでしたが、神の計画は世界中の人々に対して福音を伝えることでした。そして今、世界の果てに住む私たちのところにまで時代を超えて福音は伝えられたのです。パウロの確信を何千倍も超える神のご計画が与えられていたのです。
同じことが、私たちの人生にも起こるのです。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。