関西学院は今春、兵庫県宝塚市に新しく初等部(小学校)を開校し、今年度は1〜3年生までの計270人が入学した。「キリスト教主義に基づく全人教育による人間形成」を教育理念とし、「意志・情操・知性」の3つのバランスが取れた人間形成を目指す。教育特別顧問には聖路加国際病院理事長で同学院旧制中学部の卒業生でもある日野原重明氏を迎え、来年創立120周年を迎える同院の初等教育機関としてスタートした。
初等部はその特色として、独自カリキュラム「関学タイム60」を設置。「こころの時間」(礼拝、15分)、「風の時間」(聴読学習、15分)、「光の時間」(国際理解、15分)、「力の時間」(推論学習、15分)の4つの時間を毎日の授業に組み込み、各児童の感性を磨いていく。日野原氏は、「こころの時間」や保護者向け講演会などの講師を務めるほか、初等部の教育方針や諸活動へ助言していく。
初等部の聖句には、イエス・キリストの幼い頃の姿、ルカの福音書2章40節「幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた」が選ばれている。
関西学院は、1889年(明治22年)に、アメリカ人宣教師ウォルター・ラッセル・ランバスによって、牧師養成とキリスト教主義に基づく青少年教育を目的として創立。以来、「Mastery for Service」(社会と人のために、自らを鍛える)をスクールモットーとし、キリスト教主義に基づいた全人教育に取り組んできた。現在は、初等部から大学院までの学院全体で約2万人の生徒・学生が学んでいる。