世界学生キリスト教連盟(WSCF)は2月27日から3月5日まで、「私たちは数多い、私たちは一つ:神の平和を構築するために遣わされて」をテーマに、第35回総会を南米コロンビアの首都ボゴタで開催している。
WSCFのクリスティン・ハウゼル総幹事は、開会演説の中で、この総会が正義と平和の諸問題についてよりよい理解をもたらすものとなるようにという希望を表明した。WSCFの関連団体である世界教会協議会(WCC)が2日、公式サイトで伝えた。
WSCFはエキュメニカル運動の先駆的な存在であり、WCCとは歴史的な協力関係が続いている。
「コロンビアとこの地域における出来事は、平和、正義、開発・発展の陰と陽、アイデンティティーの多様性を保ち守る闘い、そしてさらに多くのことについての問題をめぐる、地域と地球規模の原動力についての理解のきっかけとなることでしょう」とハウゼル総幹事は語った。
また、「同時に、WSCFはコロンビアとの連帯を深めようとしてきており、同国の教会やエキュメニカルな協力団体から、この国の正義と平和のための活動を目に見えるものにする上で鍵となる役割を担い、学生キリスト教運動(SCM)や諸教会、そしてエキュメニカル団体に寄り添って、積極的な役割を担うために活動するよう招かれています」と総幹事は付け加えた。
さらに総幹事は、「私たちが自らの多様性という賜物と自らの一致が持つ意味を祝い、そして探るにあたって、私たちは自らの召命を果たし、離れたものを結び付け、壊れたものを繕い、神の創られた世界全体に愛を示す上で、よりよい立場にあります。なぜなら私たちは、この世界において、境界線のない神の平和と正義、愛を生き、また分かち合っており、一つのビジョンにおいて一致しているからです」と語った。
1895年に設立されたWSCFは、学生キリスト教団体の世界的な連合体で、その加盟団体は多様なキリスト教の伝統や他の諸宗教を背景に持つ。
WSCF総会が今回ボゴタで開かれているのは、WSCF中南米カリブ地域やコロンビアの諸教会、またエキュメニカル協力団体の招きによるもの。総会は4年から6年ごとに開催されており、WSCFの将来の優先順位や方向性を定める時となっている。
WSCFは、「今日の教会と世界における神の平和と正義」を促進するため、学生たちを若手のエキュメニカル指導者として動機づける訓練をする使命を捉えようと、さまざまな運動をまとめている。
今年の総会のテーマである「私たちは数多い、私たちは一つ:神の平和を構築するために遣わされて」は、「彼らが一つとなるように」というWSCFの標語を再確認するものであるという。
この総会には、世界のさまざまな地域から約180人が集まっている。参加者には、WSCF加盟団体の代表者やWSCFの職員、常議員会のメンバー、WSCF–SCMの年長者たち、協力団体の代表者や来賓が含まれている。
なお、WSCFには、日本YMCA同盟の学生YMCAが学生キリスト教運動(SCM)としてWSCFに加盟しているが、日本YMCA同盟によると、今回は日本の学生YMCAからは総会に参加できていないという。
一方、WSCFのフェイスブックによると、この総会では、WCCの「教会と社会における女性」担当プログラム幹事であるフラタ・ムバノ・マヨ博士が3月1日、「違いを発見し、変革をもたらす:脱植民地エコ・フェミニストの視点」と題して基調講演を行った。
マヨ博士は、「こんなにたくさんの無意味な不正義と暴力の迷路の中で、(私は)あえて神の導きの光と希望を求めているのです」などと語ったという。