【CJC=東京】米コンパス・ダイレクト・ニュースによると、エジプトの裁判所は9月3日、離婚した父親がイスラム教に改宗した場合、その子どもも改宗を法律的に強制されるか、で争われていた審問を延期した。
双生児のマリオ・メダト・ラムシスとアンドレオ・メダト・ラムシスのキリスト者側弁護士が審問を忌避したもので、イスラム教への改宗者の再改宗に関する別件の結果が影響することを理由としている。
双生児の事例は、エジプトでは、個人の宗教はあらゆる公式記録に記載されており家族関係法に優先するのに、非イスラム教徒が受けている差別を浮き彫りにした。
双生児は、キリスト者の父が2002年にイスラム教に改宗し、子どもたちの出生証明書に記載された宗教を変更する法的権利を行使したことから、意思と無関係にイスラム教徒に「なった」。
この2月にキリスト者の母親のカミリア・ルフティが、子どもたちが学校でイスラム教育クラスに置かれたことに気づいた。父親が02年にイスラム教に改宗したことが反映された結果だ。5月にイスラム教試験を受けることを断ったことから問題が表面化した。7月の追試験で、子どもたちは「自分はキリスト教」と書き解答欄は白紙のまま提出した。
ユスリ・アルガマル教育長官は8月25日、子どもたちを自動的に昇級させると発表したが、母親は、基本的な問題が残っていると言う。
コプト語週刊紙『ワタニ』によると、母親は8月27日の記者会見で、「子どもが15歳になるまでは、母親に養育権があると、エジプトの法律では定められていると思ったが、最近になって、これがイスラム教徒の母にだけ適用されるのだと気づいた」と語った。
2人の未来は、母の養育下に残ることを可能にする民法か、子どもは父母のいずれであれイスラム教徒の親に属すことを規定しているイスラム法のいずれを法廷が適用するかにかかっている、と弁護士は言う。