【CJC=東京】トルコのビュレント・アルンチ副首相が20日、イスタンブールにある博物館「ハギア・ソフィア(アヤソフィア)大聖堂」をイスラム教のモスクにしたい、と語った。トルコは総人口約8000万人のほとんどがイスラム教徒。
東ローマ帝国(ビザンツ帝国・ビザンティン帝国)時代に東方教会の大聖堂として建設され、コンスタンティノープル総主教座が置かれていたハギア・ソフィア大聖堂だが、1204年から61年まではローマ・カトリック教会の大聖堂とされていた。1453年、東ローマ帝国滅亡以後はオスマン帝国によって1931年までモスクとして使われ、ムスタファ・ケマル・アタテュルク政権成立後は世俗化され1935年から博物館として使われている。
ギリシャ外務省は「トルコ政府高官から、ハギア・ソフィア大聖堂についてしばしば出されるモスク転換説は、数百万人のキリスト者の宗教感情を逆なでする」との声明を出した。これに対しトルコ側は、信教の自由についてギリシャから「学ぶべきものは何もない」と反感を露わにしている。「オスマントルコ時代の文化資産や礼拝所についてギリシャが不当な扱いをしたことは周知のこと」と言う。