5日から9日にかけて、パレスチナベツレヘムにおいて600人以上もの各国および地元のプロテスタントキリスト教徒らが集い、パレスチナキリスト教徒の今後および中東で生じている紛争について会議する集会「チェックポイント・カンファレンス」が開催された。15日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
同カンファレンスでは、イスラエル・パレスチナ和平の危機が生じている最中にあって、いかにキリストにあって希望を持ち続けられるか、また聖書観について歴史的にキリスト共同体とイスラム共同体でどのように異なる見方をしてきたのかについて議論がなされた。同カンファレンスはパレスチナの福音主義キリスト教組織であるベツレヘム・バイブルカレッジによって主催された。
最近の中東域の紛争状態について、聖書の預言と照らし合わせた見解がさまざまな世界の神学者たちから寄せられている。同カンファレンスに参加したキリスト教指導者らは、中東の混乱と終末の預言から離れて、福音主義共同体がパレスチナ人と共にイエス・キリストに従いながら、福音書の御言葉に書かれたある平和や和解、正義の道をいかに模索していけるかに焦点を置いた議論がなされた。他にもパレスチナ諸教会を力づけるための方策や、パレスチナ領土の不当な占領、パレスチナとイスラエルの間の和平を妨げる事柄について改めて認識する作業などがなされた。ユダヤ人国家建設を目的とするシオニズムへのキリスト教徒の関わりや、諸教会が中東および世界といかに和解を提唱していけるかについても議論された。同カンファレンスは昨年および一昨年にも開催されており、毎年期待以上の成果を上げてきたことが主催者から証しされている。
今年のカンファレンスでは、パレスチナ自治政府の統治下におけるキリスト教徒が、イスラエル国家が存続する権利を承認しつつ、いかに非暴力で領土占領に反対し続け、希望を伝えていくことができるかに焦点が当てられた。
海外からベツレヘムに集ったキリスト教指導者らからは、会議を通してパレスチナのキリスト教徒らがいかに日常的な占領活動による苦しみや痛みを経験し、それを乗り越えてきたかについての証しを聞き、感動したことが報告されている。
カンファレンスでは、ジョン・オーツバーグ氏、ビシャラ・アワド氏、クリス・ライト氏、ダグ・バードサル氏、デービッド・キム氏、トニー・カンポロ氏、ヨエル・ハンター氏らが講演を行った。
カンファレンスを主催したベツレヘム・バイブルカレッジは、キリスト教徒のサーバント・リーダーを養成し、中東域において、キリストの心を中心に置いた、神にある謙遜、聖書の全体性、正義と憐れみの心を持ち合せたクリスチャンを社会に送り出すことを使命としている。1979年に地元のアラブ人によって創設されて以来、毎年中東域でキリスト教の奉仕活動に興味のある学生を135人程受け入れてきた歴史を有している。
なお、同カンファレンス終了後に、パレスチナ自治政府首相のサラム・ファヤド氏はパレスチナのプロテスタントキリスト教徒がパレスチナの少数派として信仰を守る権利を認めつつも、ベツレヘム・ファーストバプテスト教会主管牧師のナイム・コーリー氏に対し、同氏の教会を自治政府として法的に宗教組織として認めないと伝えた。
イスラエルが領土を奪還する政策とクリスチャンシオニズムについて、パレスチナ自治政府がカンファレンスに敏感に反応したものと見られる。
一方、コーリー氏の教会では、アラブ人とユダヤ人の摩擦を緩和し、和解する道を模索する福音書に沿ったメッセージを伝えている。パレスチナでは、自治政府によって平和活動を行う人々と「聖戦」のプロパガンダを行う人々の間の敵意を増長させたり、反ユダヤ的な放送を日常的に続けるなどの活動が見られているという。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事
-
カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声
-
【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也
-
全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演
-
サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(31)夢の中での再会
-
「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕
-
花嫁(36)薄明かりの祈り 星野ひかり
-
聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催
-
ワールドミッションレポート(10月29日):アンゴラとザンビアのルヤナ族のために祈ろう
-
【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』
-
全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演
-
「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕
-
やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明
-
「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事
-
約250校の子どもたち数千人が「主の祈り」を唱和 英イングランド
-
「迫害下にある教会のための国際祈祷日」 WEA・JEAが呼びかけ
-
聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催
-
日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害
-
カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声
-
「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事
-
カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声
-
【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也
-
聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催
-
全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演
-
やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明
-
「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕
-
花嫁(36)薄明かりの祈り 星野ひかり
-
ワールドミッションレポート(11月2日):エジプト 福音の力—何世代にもわたる暗闇を撃破(2)

















