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「険しく細い道」 こそ本筋だ! 佐々木満男・国際弁護士

2011年10月17日17時41分
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佐々木満男弁護士+
 ・・・イエスは言われた、「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない」(マタイ7・13~14)

卒業式での答辞

 「僕は大学に行きたい気持ちでいっぱいです。でも、僕のうちはとても貧乏なのです。母は体が弱いので、僕が大学に行くと、とても大きな負担になります。ですから、非常に無念ですが、僕は大学に行くのを諦めました。高校を卒業したら社会で働いて、母を安心させてあげたいです。働いてお金を貯めてから、もう一度受験して大学へ行くつもりです」
 
 高校の卒業生総代に選ばれたT君は、卒業式の答辞でこう語り、参列者全員の感動の涙を誘いました。
 
 フィリピン人の母親は、T君が幼い頃に日本人の夫と離婚し、東京でT君と3歳上の姉の2人を必死に育ててきました。別れた夫から経済的支援は一切ありませんでした。日本語の読み書きができない母親を、T君が何かと助けてきました。T君を可愛がっていた姉は、不幸な生活を恨んでぐれてしまい、母親に心配を掛けてきました。

 母親は外国人であるが故に、コンビニやファミレスなどのパートで働くしかなく、母子家族手当をもらっても、毎月の生活費に事欠いてきました。お店で余った賞味期限切れのカップラーメンやハンバーガーばかり食べてきた母子は、3人とも栄養の偏りから病気がちで、様々な病に苦しみ、母親の乳がんの手術を含めて毎月の医療費もかさんでいました。

 その都度、クリスチャンの知人に資金援助を受け続け、15年後、T君が高校を卒業する頃には、その額は数千万円に達していました。その知人は貧しい母子から返済など期待していませんでしたが、家計を見てきたT君には、とても大きな精神的負担でした。

 将来自分で働いて何とか全額返したいと思い、「そのためには良い大学に入って、良い職に就いて、高い収入を得なければ」と、遊びたい盛りを我慢し、塾にも行かず、引っ越しのアルバイトをしながら、本代を節約するために一人で図書館に通って熱心に勉強しました。お蔭で成績はいつもトップクラス。学校推薦で大学の入学許可が出て、奨学金をもらえることになり、希望に燃えていました。

 けれども、高校を卒業すると母子家族手当が打ち切られるため、奨学金だけでは足りず、学生アルバイトをしても、知人の資金援助を受け続けなければなりません。月末の家賃や光熱費の支払いの時期になると、母親はストレスのあまり血圧が高くなり、仕事中に倒れたり、腹痛や頭痛に襲われて入院したりしているため、これ以上負担をかけられない状況です。

「険しく細い道」を選べ

 未曾有の不況の時代に、高校を卒業して高給の仕事に就くのは、不可能に近いでしょう。それを百も承知で、T君は勇気をもって大学行きを断念しました。クラスの授業で分からないところをT君に教えてもらってきた仲間たちが大学に行くのに、教えた本人は行けないのです。本人もその矛盾に苦しんだことでしょう。

 卒業式の当日、T君の答辞に感激した父兄から、大学での生活費支援の申し出がありましたが、それも断りました。
 
 「どうか大学に行かせて下さい!」クリスチャンであるT君は、毎日祈ってきたに違いありません。母親の通っていたフィリピン人教会では、T君は教会学校のリーダーで、子どもたちからは、「お兄さん、お兄さん」と言われて、慕われていました。

 なぜ神は、真面目なT君がストレートに大学に行く道を開いて下さらないのでしょうか。幼少の頃から苦労に苦労を重ねてきて、ようやく将来の希望が見えてきたのにです。数千万円の借金問題を解決することは、全能の神にとっては、たやすいことではないでしょうか。
 
 でも、私はそこに、神の深い愛の摂理を思います。人から資金援助を受け続けて大学まで卒業させてもらったら、彼の神への信仰心(健全な自尊心)は育ちません。運良く一流会社に就職してお金を返そうと頑張っても、自力では簡単に返せる金額ではありません。ますます自尊心は失われていくでしょう。
 
 けれども、勇気を持って高卒で世の中に飛び出し、自活していくならば、少なくとも援助を受け続ける心の重荷からは解放されます。何年かかるか分かりませんが、自分で稼いだ貯蓄で大学に行ければ、これに勝る自信(神への信頼心)はありません。大学卒業後社会に復帰しても、あらゆる状況に打ち勝っていくことができるでしょう。
 
 だから神は、若い多感な時期に敢えて、T君に荒野の生活をさせたいのです。

 人はいつも、「とんとん拍子」の広い楽な道を歩きたいと願います。その道を歩んだ人は、往々にして、鼻持ちならない高慢な人になるか、「ところてん」のような芯のない人になるのが落ちです。

 神の道は決まって、「険しく細い道」です。なぜなら、険しく細い道を登ることなしに、強さと謙遜さを備えた人間としての真の成長はなく、神との豊かな愛の交わりを体験することはないからです。
 
 聖書に出てくる信仰のリーダーたち、例えばアブラハム、ヤコブ、ヨセフ、モーセ、ダビデ、ペテロ、パウロたちも、皆それぞれ「険しく細い道」を歩みました。「最も険しく、最も細い道」 を歩んだ方、それは、十字架の道を歩まれたイエス・キリストです。
 
 T君は今、神の目から見て、本当の「エリートコース」を歩んでいます。

 神は人の弱さをよくご存知です。だから、愛するが故に、私たちをあえて困難な荒野に追いやるのです。新たな荒野の生活をしっかり耐え抜いて、社会の真のトップリーダーとしてT君が成長していくことを願ってやみません。

◇


佐々木満男(ささき・みつお)

 国際弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。インターナショナルVIPクラブ(東京大学)顧問、ラブ・クリエーション(創造科学普及運動)会長。

■外部リンク:佐々木満男先生のブログ「ドントウォリー!」

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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