財団法人日本クリスチャンアカデミー・関西セミナーハウス活動センターが17日、水垣渉氏(京都大名誉教授、日本基督教学会理事長)を講師として招き、第5回修学院キリスト教セミナー「共同体の歴史としてのキリスト教」を同セミナーハウスで行った。
約2千年にもわたり歴史的存在として存続しているキリスト教は、その中心に「教会」をおきながらも、それ以外の様々なキリスト教共同体を展開することによって、歴史の変化に対応し、さらには歴史を形成する側に立ちながら発展してきたと言える。水垣氏はセミナーで、キリスト教の歴史をその共同体の発展の歴史ととらえ、キリスト教はなぜ、またどのようにこのような多様な共同体を展開できたのかについて講演した。
このセミナーは、同セミナーハウス活動センターが06年度から始めた新企画。取り組むべき課題が複雑し、多様化する現代社会において、文化、自然、政治などのそれぞれの分野で活躍している専門家を講師として招き、その豊かな経験や知識を学ぶことによって、何に拠り立つべきかを考え、分かち合うことを目的として始まった。
水垣氏は、京都大学文学部教授として宗教学第二講座(キリスト教学)を担任し、98年に同大から名誉教授の称号を授与される。現在は、日本基督教学会理事長を務める。専門は古代キリスト教思想、キリスト教学基礎論で、主な著書に「宗教的探求の問題―古代キリスト教思想序説」「キリスト論論争史」などがある。