キリスト教系NPO「ワールド・ビジョン・ジャパン」(峯野龍弘総裁、東京都新宿区)が住友4社と連携し、アフリカのサブサハラ地域(サハラ砂漠以南の地域)に位置するタンザニア、ケニア、ウガンダ、ザンビアの4カ国に小学校等4校の建設など、子どもたちを対象とした教育支援を2006年の1月から開始している。2006年夏ごろに開校の予定。
今回、ワールド・ビジョン・ジャパンと連携したのは、住友信託銀行株式会社、住友生命保険相互会社、三井住友海上火災保険株式会社および住友化学株式会社の4社。近年、「極端な貧困」と呼ばれる1日1ドル未満で生活する人の数は10億人にのぼると言われている。そのうち3億人以上の人々はサブサハラ地域に暮らしており、そこでは人口の約半分がこの「極端な貧困」状態だ。このような状況に対し、今年開催された主要な国際会議、例えば1月にダボスで開かれた世界経済フォーラムや4月のジャカルタにおけるアジア・アフリカ・ビジネス・サミット、さらには7月のグレンイーグルス・サミットなどでは、貧困の撲滅が主要なテーマの一つとなった。アフリカの初等教育施設の整備は、教育を通じて将来に向けた発展の基礎をつくるためのもっとも優先すべき課題であるという見方から同計画を実施することが決められた。4社はともに、CSR(企業の社会的責任)の遂行を経営の重要課題の一つと位置づけている。子どもたちへの教育を通じて地域社会の自立と発展の一助となることを目指し、共同での支援を決めたとのこと。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、幅広く企業や団体からの国際協力のための支援を募集している。「学校建設支援」等の大口支援から、自然災害や内戦などで過酷な状況にある人々への「緊急・復興援助募金」、子どもの命を守り、成長を支えるための「児童保護募金」、子どもの生活環境を改善するための「貧困削減のための募金」がある。また、社員や社員グループからの募金に対し、社員の社会貢献活動を会社として支援・奨励するという意味で、会社としても募金をするマッチング・ギフトという制度を各企業で検討することを求めている。
連絡先 ワールド・ビジョン・ジャパン国内事業部 03−3367−7251