財団法人日本キリスト教教育センター(岩村信二理事長、以下JCEC)主催の定例公開研究会が12日、青山学院大(東京・渋谷)で開催された。同大の気賀健生名誉教授が「天皇制とキリスト教」というテーマで講演し、天皇制の歴史について語った。20人が参加した。主催者の話で16日わかった。
本紙の取材に対し、参加者で研究会理事の唐津東流名誉教授(同大)が感想を述べた。唐津教授は「天皇制によってキリスト教が迫害されたことは事実」と述べた。西洋文化にはキリスト教の精神が深く根付いているとした上で、「明治政府は、西洋の技術は多いに取り入れたが、その根底にあるキリスト教は迫害した」と、当時の政府による和魂洋才の精神の欠点を指摘した。
また、「天皇を現人神、軍制では大元帥陛下とし、全ての権力を一極に集中させたことは、当時の国民の宗教的排他性につながった」と分析、当時の天皇制が現在でも影響を及ぼしていると語った。
次回のJCEC研究会は12月17日。1月14日、2月18日にも研究会が予定されている。