長崎原爆で職員7人、生徒120人が犠牲となった私立鎮西学院高校(長崎県諫早市)で8日、生徒や教職員ら約900人が「平和大行進」を行った。9日には平和祈念礼拝を開き、生徒や教職員、卒業生ら約1500人が参加した。
平和大行進は、当時爆心地にあった旧校舎(現・活水学園)から諫早市の現校舎までの約30キロを一区間約3キロのリレー方式で歩いた。同校の1、2年生を中心に、教職員や卒業生も参加、平和公園の「平和の泉」の水が入った瓶をバトン代わりにつないだ。
出発地で開かれた出発礼拝では、同校の「平和宣言」を宣言した。宣言では、マタイの福音書5章9節と千葉胤雄同校元院長の被爆時の叫び「War is Hell」を引用しながら、「悲惨な被爆体験を持つ鎮茜学院は 神の前に深い罪を悔い改め 核廃絶とあらゆる戦争を無くすために祈り 地の上に真の平和を来たらすことを宣言する」とした。宣言は長崎市長と諫早市長に呈出された。日本語以外に、英語、中国語、韓国語など5か国で公開されている。
旧鎮西学院中学(現・鎮西学院高校)は爆心地から約500メートルの地点にあり、被爆により4階建て校舎の3階以上が倒壊した。戦後、1、2階部分は被爆遺構として残され、敷地を譲り受けた私立活水学園の校舎として使われている。
行進の前には、旧校舎で学んだ卒業生ら約20人が集まり、30分以上にわたって当時に思いをはせる場面もあった。
今回の平和行進は、「広く県内外の青少年に原爆の恐ろしさを語り継いでもらうため」として被爆60年の節目に初めて企画された。平和の発信地になれるようにと、爆心地から出発し学校まで歩くというコースがとられた。
9日の記念礼拝では、平和の鐘と前日の「平和宣言」の碑の奉献式が行われた。原爆が投下された午前11時2分に1分間の黙祷し、同時に平和の鐘を鳴らした。
鎮西学院は1881年、北米メソジスト教会から長崎に派遣されたC.S.ロング博士によって創設。「敬天愛人」をモットーに、キリスト教主義による人格形成を創立以来の教育理念としている。