最近子供たちがインターネットを日常的に利用できるようになり、インターネットを通して事件に巻き込まれたり、インターネットの情報から好ましくない影響を受けるようになったりしていることを受け、URLフィルタリング製品の技術開発およびURLデータベース事業を手がける「ネットスター社」が現状を調査し、子供が見るサイトのURL管理をする家庭は12%との調査結果を発表した。
同社は「家庭におけるインターネット利用実態調査」と題しインターネットを持つ家庭にウェブアンケートを実施、517件の回答を得ている。
発表によると、調査結果より子供が閲覧するサイトのURLフィルタリングについて、主に3つの点が明らかになった。ひとつはフィルタリングの必要性についての意識が高まっていることで、8割近くがURLフィルタリングが「必要だと思う」と回答した。これは昨年8月に行った同調査に比べ20ポイントの増加。有害サイトや閲覧して欲しくないサイトを規制したい保護者が77.5%に達し、子どものインターネット利用を通したトラブルが多く報道される中、保護者は子どものネット利用に不安を感じ、不適切なサイトについては閲覧管理の必要性を感じているという。
子どものネット利用についての心配事としては「インターネットに時間を使いすぎてしまう可能性がある」(66.2%)「氏名や住所などの個人情報を漏洩してしまう可能性がある」(59.8%)が上位にきている。
一方で「オークション・ショッピング詐欺などのトラブルに巻き込まれる可能性」は31%、「掲示板・チャットなどによる誹謗中傷に関わってしまう可能性がある」は37%と低く、危険性についての認識が低いことがうかがえる。
子どもがインターネットを日常的に、自由に利用しているため、保護者がその様子を常時監視・管理するのは難しいとされている。しかし、消費生活センターや国民生活センターに寄せられる個人情報に関する相談件数で、子どもの個人情報にかかわるものが急増しているとの報道もあり、子どもをインターネット利用のリスクにさらさないための工夫は不可欠だと同社は主張する。
家庭でのインターネット利用におけるルール(約束事)については、何かしらの決まりごとを定めている家庭が多いようだが、依然「特にルールを決めていない」(37.9%)との回答も少なかった。
次に、実際の導入率は12.6%で前回より2ポイントしか上がっておらずフィルタリングの必要性についての意識が高まっているのと対照的だ。
保護者はフィルタリング導入の際、設定が容易でパソコンに負荷のかからないフィルタリング製品を求めている。これを受けて、同社は機能最小限のフィルタリングソフトの無料提供をすることを決定した。同社は、保護者が設置しやすいフィルタリングソフトの提供を通じてネットモラル確立に貢献したいとの意向を示している。