ヒマラヤ保全協会は,様々なイベントを開催し,環境問題や途上国の開発問題を個人レベルの問題として捉え,解決の方策や社会のあり方を共に考えていくことを目指した非政府団体。同協会は6月30日までの間,キャンペーンとして,イベントご優待券5000円分とネパール高級紅茶をプレゼント中。
ヒマラヤ保全協会では,現在ネパール・ヒマラヤ山脈の麓の村で,環境や文化といった地域特性を活かした効果的な地域開発を目指している。現地自治体の技術的,経済的,組織的自立を最終目標としているが,それだけに留まらず,生活環境の改善を通して,自然や文化に対する誇りを持つようなることも狙いの一つである。
<これまでの歴史>
1963年に,現会長である川喜田二郎氏がネパールの山村で文化人類学的調査を行った際,現地住民の直面する数多くの問題を認識し,技術協力を決意したのが,同協会の発足のきっかけとのこと。近代化の影響による人口増加や出稼ぎの増加,それにともなう森林減少や地滑りの多発,水質の悪化などの環境問題と,薪や水運びの肉体労働は,その過酷さに対して,効率の良いものではなかった。1974年,協会の前身となるヒマラヤ技術協力会が発足。ロープライン(薪や家畜飼料などの荷下ろしのための軽架線)やパイプライン(衛生的な水を供給する簡易水道)を設置するプロジェクトを開始した。
1.森林保全のための苗畑支援
4つの村で苗畑の運営を支援。村人による苗畑委員会を設立して,村人自身による苗畑の運営管理を進めている。単に緑化を目的とするのでなく,換金作物など,村人自身のニーズに合わせて樹種を選んで苗を生産している。
2.代替エネルギーの開発
枯渇しつつある薪にかわる燃料として,粉炭と木質廃材などのバイオマスを原料としたバイオブリケットの開発・普及に取り組んでいる。
3. チーズ造り支援
村を離れることなく,村の資源によって収入を得られるようにと,村人自身の手によるチーズ造りを支援。乳牛を飼うための小規模融資を始め,施設の建設や技術指導者の派遣にまでに至る。チーズは近くのロッジなどで観光客に売られ,収益は学校の運営などのために役立てられる。
4.保健衛生支援
病院に行くのが困難な地域で,専門知識を持つ保健婦を養成。また村人に保健衛生に関する指導教育も行っている。
5.チベット伝統医療復興支援
千年以上にわたって地域の人々の命を守ってきた,ヒマラヤ・チベット伝統医療の貴重な知識と経験が近代化によって失われつつあることを背景に,このチベット伝統医療の復興を支援している。
6.伝統文化の保全
昔から伝わる地域の昔話や知恵を収集・記録し,出版する。また,伝統の祭りや踊りなどをビデオで記録撮影し,伝統文化の徹底した保全に取り組んでいる。
7.教育・人材育成支援
経済的理由で学校に通うことが困難な子どもたちのための奨学金支援。また,地元出身の先生を育てるための奨学金支援も行っている。
年会費は,正会員(総会で議決権がある)が10,000円、賛助会員が7,000円。詳細は以下のサイトまで。
http://www.ngo-arena.org/ihc.html