日本伝道者協力会(会長:福沢満雄牧師、以下EFJ)は28日から30日の3日間、「戦後の日本宣教の反省と展望」をテーマに静岡県熱海市で夏のリトリートを開催。福沢満雄EFJ会長をはじめ、同副会長の高橋敏夫牧師、JTJ宣教神学校校長の岸義紘牧師、大和カルバリーチャペルの大川従道牧師など、13人が会合に出席した。
会合では、「戦後の日本宣教の反省と展望」というテーマで、2009年のプロテスタント宣教150周年を念頭に、EFJが今後何を目指し、どのように歩めばいいのか、その基本的な枠組みを話し合った。
テーマは、家族伝道、教派教団を超えた宣教協力、日本の文化に根付いたキリスト教、信徒育成、の4つに絞られた。
戦後の日本宣教の反省として第一に挙げられたのが、ともすると日本文化を異教文化としてみるような、あまりにもアメリカライズされたキリスト教の布教であった。
戦後間もない劣悪な生活環境の中で、日本人と苦しみを共にし、命がけで日本に福音を伝えたアメリカ人宣教師たちの偉大な働きによって、戦後日本の宣教は著しく進んだ。だが一方で、彼らも気づかないうちに、必ずしも聖書そのものから出たのではないアメリカ文化が、キリスト教の文化として伝えられていた。これが戦後数十年たって、日本文化の中にキリスト教がうまく浸透しないという深刻な問題を引き起こす、大きな要因の一つとなっていたのではないかという反省がある。
日本の宣教には今、純粋に聖書から生まれ、なおかつ日本人が無理なく親しむことができるキリスト教文化が求められている。出席者らは、日本文化の中から生まれるキリスト教文化の醸成に努力することを確認した。
宣教の鍵を握るのは、教会を形成する信徒一人ひとりの成長である。いわゆる「お客様」信徒ではなく、教会の信徒を自立したクリスチャンへと導く信徒育成に力を入れることが話し合われた。
また今後の展望については、戦後、多様性を生み出しながらも、複雑に枝分かれした教団教派間にあるいがみ合い、相互の無関心を取り除き、キリストにあって和解し、互いに愛し合い、協力しあう関係を促進することを決意した。
EFJでは今後、セミナーや本の出版などを通して、これらの焦点に合わせた宣教の推進を各教会に呼びかけていく考えだ。