大量殺人と破壊が続くイスラエルとパレスチナ暫定自治区で6日、新たな犠牲者があった。イスラエル空軍機がガザ地方を走行していた車にミサイルを撃ち込み、イスラム原理主義組織「イスラム聖戦」の活動家2人を殺害した。この際、近くにいた8歳のパレスチナ人少年ら市民3人も巻き添えで死亡した。
パレスチナ中央統計局によれば、イスラエル・パレスチナ間の衝突が発生した2000年9月28日以降、パレスチナ人死者の総計は、3789人、負傷者は28534人となっている(2005年2月8日付け)。また、PA公共事業兼住宅庁発表によると破壊されたパレスチナ家屋数は7505戸、一部損壊は63027戸に上る(2005年1月末付け)。
このようにイスラエルとパレスチナ暫定自治区での紛争が悪化する中、死の恐怖と隣接し、笑顔を忘れてしまった子どもたちを助けるためにパレスチナ聖書協会は聖書協会世界連盟(UBS)の支援を受け、2000年から2005年までの間、「O-21プロジェクト」を立ち上げ、子どもや若者たちに福音を伝えてきた。現在でも様々な形で福音を伝える働きは続けられているという。
パレスチナ聖書協会とビルザイト・ローマカトリック教会による共同事業であり、O-21プロジェクトの一つであったリビング・ストーンズ学生センターは、聖書マルチメディア資料センター兼、若者向けのカフェとして2000年5月にオープンした。パレスチナ・キリスト大学の学生によるボランティアチームが、このセンターのスタッフとして働き、パレスチナ人であってもクリスチャンとして生きることができると多くの人に証明してきた。また、このセンターは若いイスラム教徒たちに、本や文化の一つとして、聖書に触れる機会を与えるという働きや毎週水曜日に聖書の学び会を開催してきた。しかし、2005年から子どもや若者たちがより、センターにつながる機会を増やすために「ユースリソース」という新しいプロジェクトを立ち上げ、聖書に基づく学習と教育に力を注いでいるという。
パレスチナ聖書協会のラビブ・マダナット氏は次のように語った。「我々が聖書普及活動を行おうとする場所では、必ずいつも人々が我々を待っており、神が我々に先立っておられることを感じています。我々のすべきことは、ただ主に従い、喜んで主に仕えることだけです。神の言葉が、紛争の中にある子どもたちに希望を与え続けているのです」
今日もパレスチナ聖書協会ではパレスチナの暴力とテロの狭間で怯える子どもたちの笑顔を回復させようと、福音を伝えるプロジェクトを続けている。