キリスト教精神にもとづく国際NGO団体「ワールド・ビジョン」によるソロモン諸島被災地への援助物資が、地震発生から1週間経ってようやく到着した。津波の被害が特に大きかったソロモン諸島西部ギゾ島に派遣された専門家チームが、懸念されている感染症対策に向けた活動を開始した。
ソロモン諸島では、津波による被害が約9万人の生活する西部州のほぼ半分にまで及び、同国政府の報告によれば9日までに死者が39人、現在も約7000人が避難生活を強いられている。電話や電力供給は8日までに復旧したが、飲料水や食料は依然として不足、下痢などの症状も見られるなど感染症の発生が懸念されている。
ワールド・ビジョンによる援助物資には防水シートや、蚊避けネット、毛布やその他至急必要となるものが含まれている。今後、避難所の設置や感染症発生の危険が考えられる避難キャンプでマラリアの対策処置などが行われる予定。
一方、飲料水や公衆衛生の専門家チームはすでに、より遠方の避難キャンプを訪れ、衛生環境を維持するための簡易施設を設置し、飲料水を確保するのための様々な活動を続けている。
ワールド・ビジョンから派遣された看護師は避難キャンプの人々の健康状態の調査などを行っているが、重症患者は首都ホニアラの病院へ輸送しているという。また、オーストラリア国防軍の医療チームやカナダからの医療チームも最近到着し、1日に1万5千リットルの水を浄化できる機器も到着した。
ワールド・ビジョンの報告によれば、被災地での食料の配給は行われ始めたが、十分に配給が行き届いているわけではなく、栄養失調などが心配されている。またワールド・ビジョンが初めに訪れた村はほとんどが見放された状態で、島民たちは津波による恐怖から、水に対してひどく恐れを持っているという。