日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト(以下JCCC)がこの4月から、東京での活動をこれまでの三大学から二十大学に拡大、また映画「パッション」を用いた伝道に取り組むなど、日本全国三百万人のすべての大学生にイエスキリストの福音を伝えようと積極的に活動している。
JCCCは現在七十人のスタッフがキャンパス宣教部門とコミュニティー部門に分かれて活動している。そのうちキャンパス宣教部門のスタッフは四十人。七十人のうち十二人は今年加わった新任スタッフで、組織全体が成長の動きを見せている。また、キャンパス部門のスタッフの四割は海外からの宣教師で、顔ぶれは国際的なイメージを与える。
大学生部門代表の佐藤義孝さんによると、活動拠点は北海道、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡、沖縄など、東京を除いても全国二十カ所に設置されており、各キャンパスでの活動はそれぞれの地域ごとに任せられているという。
大学構内の伝道は、スタッフが個人伝道で三、四人のセルグループを作るというもの。ミーティング等を通して聖書の教えを伝え、各大学に学生リーダーを育成する。リーダーが指導の仕方や伝道の方法といった特別なトレーニングを受けながら成長し、伝道に出ていくことで、セルグループが拡張していくのが理想のかたちだ。
活動は学内にとどまらない。それぞれの地域で三つから五つの協力教会をもち、教会から助言やサポートを受ける一方、CCCから教会に学生を紹介するなど、地域教会とのネットワーク形成にも力を入れている。
四十人の学生スタッフのうち約半数は東京に集中しており、長い間三つの大学で伝道してきたが、今年度からは一人が一大学を担当することで領域を二十大学に拡大した。
キャンパスでは、活動を知ってもらおうと新入生に一万六千枚のハンディカードを配布。また、全世界で話題となっている映画「パッション」の無料鑑賞券をプレゼントするアンケート伝道をするなど、新入生への伝道を積極的に行っている。
メンバーは毎週木曜日、聖書勉強会「Beats」で一つに集まり、最近では十七の大学から七十人の参加者があるという。年内には各大学に二つずつ、四十のセルグループを作るのが目標とのこと。
JCCCは五月中旬に、海外六カ国から学生を招いて交流会を行う。八月は、全国のスタッフ・メンバーたちが集まる三泊四日のサマーキャンプが開かれ、交流と同時に訓練の場として用いられる。これと関連して、キャンプ参加者からアジア・オセアニアの三カ国で宣教を援助する派遣生を募集する。また、国内三カ所で協力教会の地域伝道を手伝うプログラムもあるという。
メンバーの多くは大学時代に救われた人たちで、大学卒業後にJCCCや他団体で奉仕する人も多い。一方、これまで卒業生の同窓会的な集いがなく、卒業生に対するフォローも十分なものではなかったという。東京に建設中の学生センターは、そのような機会を提供していく意味でも大きな役割を担う、と佐藤さんは話している。
「若者の信仰ほど大きなものはない」
佐藤さんは、今後日本における青年・キャンパス伝道のために「教会との協力が重要」だとしている。佐藤さんは、日本の教会が若者の力を生かしきれず、リーダーシップ作りに失敗しているのもこのためで、年老いた牧師たちが若者を現場から遠ざけようとするため、日本の教会全体が若者から遠ざかっていることが残念と語った。佐藤さんによると、これまで日本の教会に若者が失敗を恐れずにチャレンジしていけるような環境や励ましがなく、若者たちを管理してしまうため、発想を自由に展開する場を奪っているのだという。
佐藤さんは、教会が強くなるためには、若者に仕事を任せ、失敗を通じて成長するのを待つことが必要なのではないか、と語った。また、教会のこのような問題は青年伝道にとっても大きな課題だと語った。
佐藤さんは、CCC等のキャンパス宣教団体は学生伝道の経験や知識が豊富であり、教会はそこから声を聞いていくべきではないかと話す。また、宣教団体は地域教会との連携や励まし、援助があってこそ活動を力強く進めることができるのであり、教会と宣教団体が協力していくことが若者伝道を進める上で重要なことだと語った。
CCCのスタッフは個人でサポーターを集めるセルフサポート制で、サポートがある基準を達成すると法師に参加できるのだという。この制度は困難が伴う反面、個人との結びつきも深まり、各スタッフが自己責任で働くので拡大が容易であるという。
学生伝道は世界的に困難とされていることに触れながら、だからこそ挑戦が必要だとした。世界の政治経済に将来最も影響を与える人たちが学生であり、同時に最も宣教されていない層も学生だという。佐藤さんは、学生たちが神様を知って神様を敬いながら世で仕えれば、世界が変わるはずだと語った。
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