桜の聖母短期大学(福島市)が、昨年度から導入された第三者評価制度において、短期大学基準協議会から東北で初めて「適格」の認定を受けたことが、地元の福島放送の報道でわかった。認定にあたり、同短大のキリスト教精神に基づく建学の精神の浸透のための取り組みや、きめ細かな教育指導、様々な社会貢献活動などが高い評価を受けた。
この制度は04年4月に施行された改正学校教育法に基づき、05年度から実施された第三者評価制度で、すべての大学および短期大学が少なくとも7年に1度、国が認めた評価機関から教育研究や組織運営、施設設備、財務等などにわたる総合的な評価を受けることを義務付けるもの。
同短大は、05年度から認定取得に向けた準備を進め、昨年度に短期大学基準協会による第三者評価を受け、東北の短期大学としては初めての「適格」認定を受けた。これで同短大は、評価制度で適格の認定を受けたことを示す「適格認定マーク」を使用できるようになり、同短大の宣伝に一役買いそうだ。
桜の聖母短期大学は、カナダの教育修道会コングレガシオン・ド・ノートルダム修道会に属する5人の修道女が1932年、日本の地にキリスト教の精神を教育理念とする学校を開くことを目的として来日したことに始まる。戦中に修道女たちが強制抑留されるなど苦難に立たされる時期もあったが、戦後46年には初等学校、その翌年には小学校が開設され、地域の要望により中学校、高等学校も開設され、1955年に同短大が誕生することになる。
同短期大の名称の「桜」は日本のシンボルを、「聖母」は女性の理想を示しており、日本でキリスト教育を行うにあたって、ヨーロッパ文化の押し付けではなく「日本のアイデンティティを確立した教育でありたい」という願いが込められている。