日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト(日本CCC)のキャンパスミニストリー東京支部は、毎週木曜日午後6時から、東京都三鷹市の三鷹バプテスト教会で礼拝を守る。
スタッフが中心となって学生たちと作り上げる礼拝は賛美と交わりが主体。そこにはいつも、新鮮さと愛の共有を求める彼らの情熱があった。
集まりは、テーブルを囲んでの夕食の交わりから始まる。「変わっているでしょう。学生たちが心を開いて礼拝に参加できるのです」と話すのは、日本CCCキャンパスミニストリー代表の佐藤義孝さん。「(学生たちは)皆、東京、埼玉、神奈川から来ています。どこからでも来ますよ」と、会話を楽しむ学生たちを優しく眺めながら話した。
礼拝は賛美と証しで始まった。日本語と英語の歌詞を交互に歌うと、学生たちは次第に、思い思いに賛美し、天を仰ぎ、祈った。スキットと呼ばれる寸劇では、神様の愛を分かち合う大切さをテーマにパントマイムを披露した。神様から大きな愛を与えられた一人ひとりの学生たち。独り占めしようとした子は、手放すまいと強く抱きしめたハート型の愛がみるみるしぼみ、最後には何も残らなかった。別の子は、愛を求めてくる見知らぬ人たちに惜しみなくハートを分け与えると、分け与えて半分の大きさになってしまったハートが次の瞬間、2倍、3倍に膨らんでいった。スキットに見入る学生たちの顔には、いつの間にか笑みが豊かに溢れていた。
礼拝の進行はCCCのスタッフたちが中心となってなされ、メッセージも学生たちと同世代の若いスタッフが伝える。「Give and Give。『受けるよりも与えるほうが幸いである』とイエス様が仰いました。すべてのものは、神様からタダで与えられています。愛っていうのは、与えると、どんどん増えていくんです。」 メッセージの中でスタッフの和子さんがこう話した。「愛の実践が大切です。神様に、わたしは与える人になりたいと祈りましょう。そして、それによって天の父が褒め称えられるように。」 学生たちは静かに眼を閉じ、祈った。
日本CCCは3つの部門で構成されており、その一つが大学で個人伝道を中心に活動するキャンパスミニストリーだ。佐藤さんによると、日本のほか、アメリカ、カナダ、韓国、台湾、香港、シンガポールの7カ国からのスタッフが、日本で世界宣教に向けて奉仕している。最近は東京、大阪、名古屋の主要大学で献身者が増加し、実力ある人々が導かれ、スタッフとして働いているという。
佐藤さんは「日本の教会は保守的で、牧師からの協力がなく苦労した時期もあったが、熱心に奉仕を続け、今では日本宣教の中で高い評価を得ている」と話した。キャンパスでの個人伝道を目的とするCCCには、宣教団体の特質上牧師がほとんどいないが、CCCで献身し教会へと巣立っていった牧師は非常に多い。
神学校で学ぶと聖書についての知識は深まるが、CCCはむしろ、自由な雰囲気の中で聖書を深く学んで仕えることができるという。佐藤さんは「わたしには(牧師等の)肩書きはありませんが、活動の場は与えられています。学生を上から押さえつけるのでもなく、彼らの個性を発見し成長を助ける奉仕をしていきたい」と語った。
佐藤さん自身、神学校を出ていないことで経験した困難もあった。メッセージを伝える能力はあっても、神学教育を受けていないことを残念に思う牧師たちも周囲に多いという。将来は宣教団体の指導者を育成する仕事をしたいと話す佐藤さんは、機会と導きによって始められるように準備をしていると明かした。
「CCCの生き方のダイナミックなところが良い」と話す一方、日本CCCが財政的に決して安定していないことを打ち明けた。三鷹市に建設予定の学生センターも3000万円が不足という。経済的困難に直面しながらも、佐藤さんは学生伝道に対する熱意を語った。「彼ら(学生たち)は、生きる目的を求めています。わたしたちが語りかければ、彼らは答えます。だからわたしたちは、語りかけなければなりません。」