「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が世界文化遺産の暫定リスト国内候補となったことを受け、長崎県教委は14日、文化遺産の承認を狙った具体的な戦略と課題を話し合う公開シンポジウムを長崎市内で開催した。西日本新聞(15日付)が伝えた。
同紙によると、市民の意識喚起を目的に初めて開催した今回のシンポジウムには、約100人が参加した。出席者は、世界的な価値をアピールする手法や「信仰の場」で観光客を受け入れることの難しさといった課題を提案した。
日本26聖人記念館館長(長崎市)のデ・ルカ・レンゾ神父は、国宝の大浦天主堂(長崎市)が観光地と化し、年に数回しかミサが行われていない現状に触れ「教会が信仰の場でなくなったら世界遺産としての価値が少なくなる」として、宗教施設として守りながら世界遺産登録を目指す重要性を訴えた。
「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は先月23日に、文化庁が世界文化遺産の候補として国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出する国内遺産の一つとして推薦された。教会群には佐世保市の離島、黒島に明治時代に建てられた国指定重要文化財の黒島天主堂などが含まれている。