聖書に記されている6日間の天地創造をそのまま信じるに値することとし、聖書が非科学的ではないことをわかりやすく伝えることで信仰者や求道者を励まし、聖書信仰への確信を与える手助けを目的として活動する創造論伝道団体クリエーション・リサーチ・ジャパン(以下CRJ)は31日、お茶の水クリスチャンセンター(OCC)8Fホールにて、「ノアの大洪水から学ぶ」をテーマに春の一日セミナー2007を開催した。クリスチャン・ノンクリスチャン問わず、創造論を学びたいと願う170人以上が参加。午前9時から午後16時半まで行われた同セミナーのプログラムの最後に、CRJ会長の高橋清師(仙台市・西多賀聖書バプテスト教会)がヘブル人への手紙11章7節を本文に「ノアの洪水と福音」という題目でクロージングメッセージを伝えた。
高橋師はメッセージの中で全講義を総括し、ノアの大洪水が起こったことや、主がノアに箱船を作るように命じ大洪水から救い出したことなど、ノアに関する記録を通して主が伝えようとしていることを参加者らに語った。
まず高橋師は、「ノアの大洪水が全世界的な裁きであった」と主張し、その証拠が世界中に数多く残っていることを示した。一つ目として世界に数多くの水平な地層が存在していることを挙げ、二つ目には世界に多くの化石が存在していることを挙げた。高橋師によると、全世界には約3兆個の化石があると言われているがそのほとんどが貝類の化石だという。つまり貝は地中に埋もれていたため洪水の時に土砂が堆積し、その多くが化石になったと見られている。一方哺乳類や人類の化石はそれほど多く発見されていないことから、「その多くが洪水によって流れてしまった可能性が高い」と高橋師は語る。また同師は3つ目として、世界に200以上の洪水伝説が存在することを挙げた。
続けて高橋師は、箱船が存在した証拠として箱船の長さ・幅・高さが造船技術の黄金比を形成していること、箱船の容積が人類が生き延びるだけの動物が入ることができる適切な大きさであったことを上げ、「主は確実にノアとその家族を大洪水から救い出した」と主張した。そのうえで創造主の救いの計画が完璧であることとキリストの救いが完全であることを訴え、「ただキリストを信じる信仰によって永遠の救いの中に入れられる」と説いた。
ではノアの大洪水は私たちに何を語りかけているのか。高橋師は、主イエスがノアの大洪水を引用し、来るべき裁きについて預言したこと、また使徒ペテロもノアの大洪水の事例を挙げて裁きについて預言したことに触れ、「過去における全世界的な裁きの事実は、未来における全世界的な裁きの真実性を裏付けるものである」と主張。これからノアの大洪水のような裁きが起こることを示唆し、警戒を呼びかけた。
「来るべき裁きのときに備え、ノアのように神(創造主)の裁きの警告を信仰によって受け止めることが必要です」と高橋師は訴える。さらに、ノアの信仰に見習って「世の人たちに対して救いの福音を語ること」と「家族をキリストのもとへ導くこと」の2点を勧めた。
「信仰によって、ノアは、まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたとき、恐れかしこんで、その家族の救いのために箱舟を造り、その箱舟によって、世の罪を定め、信仰による義を相続する者となりました(ヘブル11:7)」。
高橋師はノアが箱船を作ったことを通して家族を救い出したことを強調し、「日本の1億3000万人の人々が創造主を知り、創造主を礼拝し、主の御心を行う国となるように願う」とCRJの目標を語った。
CRJによると、現在世界で創造論を信じている人の割合は数パーセント程度だという。米国では 80%以上が創造主の存在を信じ、50%弱が聖書どおりの創造を信じているという世論調査の結果が出ているが、日本を含め欧州やその他の先進国ではほとんど受け入れられていない状況だ。しかし、そのような国でも創造を信じる科学者による啓発活動が続けられているという。
また、「聖書の記述の全てを科学で証明することができるのか?」という質問に対してCRJ側は、「決してそうではありません。かえって、現在の科学で聖書のすべてを証明しようとすることは危険なことだと認識しています。聖書は正しいのであり、現在の科学で聖書を説明できない場合は、将来、科学が少しずつ進歩していくにつれて、聖書の内容を人間が理解できる科学の言葉で示せるように、主が導いてくださるのだと考えています」と答えた。そのうえでCRJ側は、「聖書の記述をそのまま事実として受け入れることが必要である」と主張した。