ローザンヌ運動国際ディレクターのリンゼイ・ブラウン氏は東日本大震災を受け深い悲しみの意を表明し、「日本で想像を絶する被災に遭われ多くのいのちが失われたこと
に嘆いています。私たちおよびローザンヌファミリーの祈りは日本の兄弟姉妹と共にあります。キリストを信じる者として希望の光の中にあって、はかり知れない損失から復
興すべく取り組んでいる方々の働きが強められるようお祈りいたします。私たちの心は復興に励む人々の希望と共にあり、また私たちは世界中のキリスト者に対し私たちの日本の友をできるかぎり支援し、励まし、慰めるように呼び求めています」と述べた。
世界の諸教会で作る人道援助ネットワークACTは17日、被災地での支援物資の需要は高まっており、食料・電気・水・衛生用品・毛布が不足している状態である他、寒さをしのぐためストーブも必要になっていると伝えている。
チャーチ・ワールド・サービス(CWS)は宮城県、福島県、岩手県、茨城県および栃木県で避難所生活を送る25万人の被災者らに支援を行っている。CWSアジアパシフィックの小美野剛氏は「日本は災害対策では最も発展した技術を持つ国の一つであると言われているものの、今回の災害は想定外の規模となった」と述べた。
国際NGOワールド・ビジョンも東日本大震災対策に乗り出しており、被災者の子どもたちの支援に力を入れている。避難所で子どもが遊べるスペースを作り、災害で家族を失ったトラウマからの回復などに取り組んでいる。仙台の被災地を訪れたワールドビジョン職員は「34万人もの被災者が避難している避難所を訪れました。凍りつく寒さの中、子どもたちが段ボールの上で毛布1枚で寝ていました。とても見るに堪えない状況でした」と話している。
ワールドビジョンは17日、宮城県登米市に大人用おむつ1,000人分(提供:ユニ・チャーム)、赤ちゃん用紙おむつ13万枚、女性生理用品10万枚(寄贈:P&G)が到着し、無事に登米市役所の倉庫に搬入されたと報告している。支援物資は近隣の避難所の要請にあわせて適宜倉庫より各避難所に送られるという。
うち大人用紙おむつ80箱は、17日中に南三陸町の災害対策本部に送られたという。ワールドビジョンによると、町長の佐藤仁氏は「きっと1~2カ月で報道も減り、南三陸町のことは忘れられてしまうでしょう。しかし、少なくとも復興には1~2年はかかります。短期的な支援で終わらず、継続的に支援してほしい」と話したという。
英ワールドビジョンのマーク・バルピット氏は「この災害のスケールは私たちが世界で見てきた災害の中でも類のない最悪のスケールだ。現地の専門家たちが被災状況を調査しており、子どもたちの支援に焦点を当てている。多くの子どもたちがこの災害で深い(精神的)ダメージを受けている」と話している。
またクラッシュ(CRASH)・ジャパンは17日被災地で緊迫している食糧の貯蔵のためのコンテナ2台の寄贈の約束を受けたという。コンテナ2台で50万食分のお米と大豆を満たすことができ、多くの被災者の食糧の確保が期待できるという。クラッシュによると、多額の寄付を食卓に届けるためにはまだかなりの助けが必要であり、継続して更に多くの義援金を募集しているという。
クラッシュで奉仕しているJCGIネットワーク主事播義也氏は「それぞれの家に教会があり、忠実に主に仕えている教会が被災地にあるわけですから、その地域の教会に私たちが仕えながらその教会を助け、その教会を通して地域に祝福を流していくために、私たちは動きだしています。今支援をして終わりではなく、中長期にわたってこの支援を皆さんの生活の中に加えていただきたい。それぞれの教会でボランティアチームを送ることを考えてほしい。私たちのゴールはバラバラといわれていたキリストの体が未曾有の大惨事を通して立てられていくように、被災を受けた地域教会がキリストの体として生きていくために仕えていくことです」と述べている。