12日、愛知新生教会(愛知県、坂田世津子牧師)で開催されたサドルバック教会・日本伝道チームによる来日セミナーの後半で、質疑応答の時間がもたれた。今回は前回に引き続き、「Q&Aコーナー」の後半部分を紹介する。セミナーの参加者たちから牧会者の目が覚めるような質問が寄せられた。
伝道イベントを開催して参加者を集めても、その後彼らが求道者へと繋がっていくのが難しいです。どうすれば聖書や教会に興味を持ってくれるのでしょうか。
それはとても重要ですね。しかし単純に言えば、牧師のメッセージを皆が来たがるメッセージにすればいいのです。イエス様の方式に従うことです。「あそこの先生の話はためになる」「あそこの先生の話は役に立つ」ということを彼らに感じさせなければなりません。ですから、新しく来た人はどんな人なんだろう、どんな仕事をして、どんな性格で、何を求めているんだろうということを知ろうとし、その人に合わせて興味を引く話題を提供してあげてください。われわれは人を取る漁師です。そうなるためには、魚がパクッと食いついてくる餌を与えてあげるべきです。リアルタイムでトピカルなメッセージでなければなりません。日本は病んでいるでしょう?そういう人が聞いて、「ああ、なるほどな」と思うものを話してあげればいいのです。
怖いのはたとえ牧師だとしても、いつも「先生、先生」と呼ばれていると自分でも気づかないうちに自分が見えなくなってしまうことです。相手がどんなことを求めているのか、それを満たすメッセージを伝えようとすることを忘れないでください。そうすれば当然、時事問題も取り上げます。テレビで話題になっている凶悪犯罪や学校のいじめの問題などの事件を具体的に出します。ただ聖書だけ読んでいると、「すでにクリスチャンの人」を楽しませるだけのものになってしまう。そうではなく、ノンクリスチャンの人生が変わるメッセージを伝えればいいのです。大事なのは、「いかにして人生を変えるメッセージを伝えるか」です。
サドルバック教会では4つのバイブルスタディ・クラスがあります。初めて教会に来た人にはクリスチャンとしての基礎的な知識を教える必要がありますし、指導者は指導者で宣教や牧会に必要な御言葉があります。そのようにバイブルスタディも献身度に合わせてクラス分けをしなければなりません。
サドルバック教会で実際に行っている伝道の具体的なやり方は?
<星勝雄氏>
よく一人であちこち伝道に行くという話も聞きますが、一人での伝道は正しくありません。チームでやることを神様は望んでいます。聖書にも1人より2人、2人よりも3人のほうが勝っていると書いてあります。使徒たちも伝道に出かける時は必ず弟子や協力者を伴いました。つまりスモールグループ単位でやるのが一番です。21世紀はスモールグループを持つことが重要になり、キーポイントとなっていきます。『40日の目的の旅』の30日目に「本音で話をする」というのがあります。今の時代は一番身近な夫婦同士がお面を被って、妻が夫を、夫が妻を憎しみ合うような時代です。そのようなことが当たり前のように日常的に行われていますが、それは罪です。神の子の家庭の楽しみは世の中の家庭の楽しみとは全然質が違います。ですからスモールグループを作ってそれを神の家族として作っていくのです。
<マシュー・カレ氏>
「聖霊に満たされること」「御言葉に従うこと」が未信者との差をつけることになります。すべての世に対して光となる私なのです。神様の恵みと愛を知るときにわれわれは人を愛するようになります。そして、われわれクリスチャンが御言葉に従って愛の人生を送ること、クリスチャンライフを生きることです。それが一番の伝道となるのです。2番目は、誰でも短い証ができるようになることです。「とても短く」て「とても簡潔」なものがいいです。もし相手がクリスチャンなら、今日が昨日と違っていることを証すれいいでしょう。そしてまずは祈ることです。神様が必ずアポイントを作ってくれます。神様はいつも私たちに向かって「準備を整えていなさい」と仰います。そのようにして、出会った人と恵みや感謝を分かち合い、イエス様に関する話を分かち合うこと、それが伝道です。
伝道はしなければならないものなのですか?
<星勝雄氏>
難しいですよね。私もそうでした。最初は元気に伝道するんですけど、ずっとしていると断られるのが段々つらくなってきて、「しなければならない」という律法主義に陥ってしまう。イエス様がゴルゴダの丘を上り、十字架につけられ、私の罪を購ってくださったこと、私の罪のために死んでくださったこと、それは誰が頼んだことでもありません。だからそれに対する感謝の気持ちがあると、私は周りのもっと多くの人たちにも伝えたいと思うのです。「伝えなくちゃならない」じゃなくて、自分の信仰を強めることが大事です。しかし強い信仰を持つと、今度は信仰を持たなくちゃならないとなってしまう。われわれ人間は神様がいないと生きていけません。そのことを忘れないで、ぜひ周りの人たちに伝えてほしいです。
<マシュー・カレ氏>
マタイの福音書28章18−20節。これは僕の大好きな聖句です。それは自分の隣の家かもしれません。隣の町かもしれません。われわれにとっては日本かもしれませんが、イエス様は私たちに、「すべての国の人々を弟子としてバプテスマを授けるように」と仰いました。イエス様は私たちが人生を犠牲にし、他の人に対して愛を表すことを望まれています。
以上、一連の質疑応答をもってサドルバック教会日本伝道チームとの「Q&Aコーナー」は幕を閉じた。質疑応答は予想以上に盛り上がり、夜遅くまで続いた。しかし、帰り際の参加者たちの顔には笑顔が溢れていた。確かに長時間のセミナーで体は疲れていたかもしれない。けれども、セミナーを通して心と霊が満たされ、人々は満足感に浸っていた。
サドルバック教会のリバイバルプログラムを伝授されたセミナーの参加者一人ひとりが教団・教派を越えて日本の各地でキリストの光を放ち、この国にリバイバルの火をつけてほしい。