ミルトスは地中海沿岸原産の常緑低木で、別名は「マートル」「ギンバイカ(銀梅花)」。花が結婚式などの飾りに使われるため「祝いの木」とも呼ばれる。
5弁の白い花が咲き、そこから多くの雄しべが突き出るのが特徴。葉と果実には芳香があり、香水などの原料に使われる。また、ユダヤ教3大祭りのひとつである「仮庵の祭り」では、現在でもミルトスの枝を使って仮庵が作られている。
ユダヤ人の間では人名として付けられることもある。旧約聖書に登場するエステルの別名「ハダサ」(エステル2・7)は、ヘブル語でミルトスの意味だ。
イザヤ書を見ると、「茨に代わって糸杉がおどろに代わってミルトスが生える。これは、主に対する記念となり、しるしとなる。それはとこしえに消し去られることがない」(55・13、新共同訳)とあり、神に立ち返る者への豊かな祝福が約束されている。
神が造られた植物ミルトス。その純白の花のように、キリストの香りを放つ者となりたい。