いのちありがとうの会(理事長:堀越暢治・東京キリスト教学園名誉理事)が9月30日と10月1日の2日間、キリスト教教育を考える講演会を神奈川県川崎市の日本同盟基督教団招待キリスト教会で開いた。同会副理事で東京キリスト教学園理事長の赤江弘之氏は、キリスト教教育における創造の重要性を強調したうえで、日本の福音派教会の中で、聖書の記述通りに6日間の創造を信じていない牧師が少なからずいることを指摘し、「日本の教会が創造を純粋に語ろうとしてきたか」と警鐘を鳴らした。
教育の土台は創造
講演会では、同会理事長で東京キリスト教学園名誉理事の堀越氏と、元米航空宇宙局(NASA)研究者で韓国のキリスト教主義大学、韓東(ハンドン)大学総長の金泳吉(キム・ヨンギル)氏がそれぞれ講演した。
堀越氏は、約50年にわたる三重県四日市での牧会経験をもとに、日本での宣教にも聖書の記述通りに創造の真実さを伝えることが有効だと強調した。
堀越氏は、教会形成の初期から幼児教育に力を入れた。現在では、幼稚園の働きを通して親子3代のクリスチャンホームが教会に増え、教会員数は300人を超えている。
幼児教育の現場で堀越氏がこだわったのは、聖書をそのまま伝える教育法だ。学校法人の寄附行為や幼稚園の規則にも、聖書を土台として教育を行う旨を明記した。特に強調したのは、人間が偶然進化して生まれた存在ではなく、創造されて生まれたという聖書の真理だ。
堀越氏は、人間に与えられた生命の仕組みのすごさを考えると、人間が進化によってアメーバから偶然できることはありえず、創造主である神によって創られたことは明白だと説いた。「聖書を確信すると、生かされていることに感動する。その感動が伝染していくのが伝道」とし、人間の生命を接点に、創造主のすばらしさと人間との断絶を気づかせ、イエス・キリストの救いへと導くという新しい宣教の取り組みを提唱した。
進化論は仮説
金泳吉氏は、科学者の立場から、創造主という原因なしにこの世界が偶然できたという進化論の主張はありえないと強調し、「進化論は仮説だが、それが何か科学的証拠があるかのように教えられている」と進化論だけを教える学校教育を批判した。
さらに、「無から有の世界をつくることは創造主にしかできない」とし、「神は目に見えないが、神がつくられた世界は見える。世界のあらゆるものを見るとき、神の創造は真理だといえる」と語った。
韓東大学では、創造論が必須科目となっている。金氏は、「真の教育はただ知識を伝達するだけでなく、永遠の未来に備えるもの。創造論を土台とするときに崩れない」と語った。
6日間の創造については、「全能の神であれば一瞬でもこの世界をおつくりになる。6日間創造は自分の知性ではなく、神を信じる信仰によって信じている」と語った。
創造科学は教会一致を促す
韓国創造科学学会の創設者でもある金氏は、韓国で1980年から始まった同学会の働きによって韓国の福音派教会が勇気づけられ、現在では礼拝の説教で多くの牧師たちが創造論を大胆に語っていることを報告した。また、創造科学の運動が教派を超えた韓国教会の一致を促したと述べ、「日本の教会が教団教派を超えて一致できるのは創造科学ではないか」と提言した。
最後に金氏は、「創造か進化かの論争で終わるのではなく、まことのいのちを信じることが創造科学の結論」と述べ、創造科学の目的が人の救いにあることを強調した。