自国の資源をどのように配分すれば戦争で敵国に最大の打撃を加えられるか。この問題を数学的に研究したのが第二次世界大戦中の米国だった。
当時のチームが実施した研究の成果は現在、企業活動など多様な計画に際して最も効率的な資源配分を統計学的に決定する科学的技法、「オペレーションズ・リサーチ」(以下、OR)として経営や国の政策に取り入れられている。
ORでは、生産する兵器を、敵国の生産能力に打撃を与える「戦略兵器」と、敵兵に直接対峙して打撃を与える「戦術兵器」とに分類した。前者は長距離爆撃機B29、後者は戦闘機や戦車、歩兵の装備などが例に挙げられる。
例えば、全予算を後者に投入すれば個別の戦闘には強くなるが、相手の供給源を叩かないので敵はまた攻撃してくる。
ORでは、これら2種類の兵器について、量の分野にあたる前者を「7」、質の分野にあたる後者を「3」の比率で予算配分を行うとき成果が最大になるという原則を発見した。
企業経営では「営業関連7」「内部管理3」の原則として生かされている。これを教会に当てはめるとき、信徒との面会や未信者を伝道する外部活動が「7」、設備や会議、段取り準備など内部活動が「3」というわけだ。
伝道関連に7割の資源を投入しても信徒が増えない場合、その原因の7割は信徒・未信者との面会件数の少なさにあるといえる。面会相手が偏っている、伝道とは無関係のことをしている、教会や事務所の中にいる時間が長すぎる、移動時間が長すぎるといった理由が考えられる。
教会の資源は有限だ。資金や時間、人材が有効活用されているかどうか、量7・質3の原則に当てはめて再確認し、必要であれば見直してみてはどうだろうか。