できるものなら、と言うのか。信じる者には、どんなことでもできるのです。(マルコ9:23)
私は牧師として、いろんな人たちに出会う機会が多くあります。
最近どこへ行っても、問題がいっぱいあるということをよくお聞きします。政治にも、経済にも、会社にも、家庭にも、宗教にも、問題だらけですね。問題のラッシュアワーです。近鉄奈良線のラッシュアワーは200%の乗車率だそうですが、現在の社会は200%以上の問題の山であると言えそうです。
しかし、不思議なことですが、同じような問題が、ある人の人生をメチャクチャにし、またある人の人生をよりたくましく、勝利者と変えていくのです。高い山に降った雨粒が、一つは流れて太平洋に注ぎ、もう一つは日本海に注ぐほどに差が出てしまいます。
理由は何でしょうか。それは積極的に受け止めるか、消極的に受け止めるかによって違ってくるのです。積極的な考えを持っている人は、問題をチャンスと考えます。そして問題を正しく管理し、問題に支配されません。また、心配しません。前向きに受け止め、解決していきます。積極的に考える人は、問題は解決するためにあると信じています。
そうですね。問題は解くためにあると考えるだけでも、気持ちは楽しくなります。できないと考えたら、問題に管理され、支配されます。気落ちし、あきらめ、憂うつになり、くじけ、敗北し、失敗者になってしまいます。
イエス様は語られました。
「できるものなら、と言うのか。信じる者には、どんなことでもできるのです。」(マルコ9:23)
ケンタッキー州のコービンという町の郊外に、小さなレストランを経営していた夫婦がありました。お客の90%までが旅行者でした。ところが、11キロメートル離れた所に、新しいハイウェイができました。それで商売はすっかり上がったりになったのです。とうとう、店をたたまねばならなくなりました。その時、この男は66歳でした。もう当てにできる収入と言えば、わずかの社会保障の給付金だけでした。
二人は心を合わせて祈りました。
「求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。だれであれ、求める者は受け、捜す者は見つけ出し、たたく者には開かれます。」(マタイ7:7〜8)
信仰は力です。信仰は問題解決の鍵です。祈る人はどんな時にも、備えられた道を見出すことができます。
二人は手がかりを捜し始めました。どんな時にも、神がともにいますと信じて、チャンスを見つけ始めました。社会保障としてもらった105ドルを元金にして、一台のボロ自動車を買いました。そして以前、お客様に好評だったフライド・チキンを積んで、売って回り始めたのです。
二人が直面した問題は大きいものでした。しかし、問題は二人にとって、惨めな人生を生きる材料ではなくて、チャレンジだったのです。問題は停止信号ではありません。一つの扉が閉じられれば、もう一つの扉が開くのです。
これがその後、この老紳士を億万長者にさせたフランチャイズ王国誕生の始まりだったのです。この紳士こそ、かの有名なケンタッキー・フライド・チキンのサンダース会長なのです。90歳を越えて亡くなりましたが、問題は彼を支配しませんでした。彼が問題を支配したのです。
あなたも今日、勝利者になれるのです。問題が何であれ、乗り越えることも、解決することもできます。イエス・キリストを心の中に迎えることです!祈ることです!前向きに考え、取り組むことです!
榮義之(さかえ・よしゆき)
1941年鹿児島県西之表市(種子島)生まれ。生駒聖書学院院長。現在、35年以上続いている朝日放送のラジオ番組「希望の声」(1008khz、毎週水曜日朝4:35放送)、エリムキリスト教会主任牧師、アフリカ・ケニアでの孤児支援など幅広い宣教活動を展開している。