中国キリスト教会の成長は今までにないほどに驚異的な勢いだ ―― キリスト教エキュメニカル派最大組織の世界教会協議会(WCC)は、中国のキリスト教会が同国の経済成長に引けをとらないほどの勢いで近年急激に成長していると指摘する。
「私はここ15年の間に中国を何度も訪れたが、その驚異的な成長に愕然とするしかない。今や教会は溢れるほどだ」。WCC国際情勢・パブリックウィットネス主任のマシューズ・ジョージ・チュナカラ氏は、中国のキリスト教会で「独特で爆発的な成長」が続いていると語る。
「教会で見られるのは貧しい人々ばかりではない。裕福な人々や高学歴の人々もキリスト教を受け入れつつある。北京と上海がその証拠だ」。1970年代初頭の中国のキリスト教人口は300万人とされているが、現在は1億3千人を超えると言われている。
中国政府 今や信者に「好意的」になりつつある
チュナカラ氏は中国政府の信教の自由へ対する姿勢の変化についても指摘する。わずか10年前、政府の監視、迫害によって中国のキリスト教徒は教会へ通うことだけで精一杯の状況だった。しかし、チュナカラ氏は現在の状況について「非常に改善された」と述べ、信者に対する政府の姿勢は今や「好意的」になりつつあるとまで語る。
「中国政府は何か挑発的なことがない限り今はもう(教会を)襲撃するようなことはしないであろう。現在中国は急速な経済成長の中にあり、政府は調和の取れた社会の重要性を認識している。そのような社会を促進するために、政府は宗教に特別な役割を与えているのだ」とチュナカラ氏は中国政府の意図を語る。
実際に中国政府は04年に「人権を尊重し保護する」という内容を盛り込んだ憲法改定を行っており、09年には人権保護のための具体的な計画を初めて定めた「国家人権行動計画」を発表した。これら信教の自由の保障につながる憲法改定や政府の動きについて、チュナカラ氏は「このようなことが起ころうとは15年前は誰も想像しなかった」と語る。
青年、第三世界に「本物の霊的熱意」
「中国だけでなく、アジアの多くの国で教会が発展しつつある。より大勢の人々が神のもとへ立ち返ってきている。特に西洋社会と比較すると東洋の(クリスチャン)青年の勢いは非常に目覚しいものがある。草の根レベルの人々の間に本物の霊的熱意が存在する」と言う。
チュナカラ氏はまた、神は知恵ある者に恥をかかせるため無学な者を用いられている(1コリント1:27)と述べ、「西洋でキリスト教が衰退する一方、神は霊的覚醒をインドや中国といった第三世界の間にもたらそうとしている」と語った。