専門家を招いて創造論について学ぶ「第2回日韓ラブ・クリエーションセミナー」(ラブクリエーション主催)が8月20日、東京都内で開かれた。セミナーでは創造科学宣教会(本部:韓国)のイ・ジェマン副会長(米国創造科学研究所元研究員)が講演し、進化の中間段階を示す生物の化石がダーウィンの「種の起源」発表以来150年間一つも見つかっていないと主張。「進化論は一種の信念、信仰といえる。しかし、150年間探しても証拠を見つけられないならば、それは間違った信念ではないか」と疑問を投げかけた。
イ氏はまず、現在主流の進化論はダーウィンが提唱したようにサルが人間になったとするものではなく、進化論と一口に言っても様々に多様化していると説明した。しかし、どの進化論であっても、進化の過程には必ず「中間段階」が存在する必要があるため、その存在を立証すれば生物の進化についても証明することができる。だが、ダーウィンが進化論を提唱して以来150年以上もその証拠が見つかっていないと指摘した。
1974年にエチオピアで発見されたアウストラロピテクスのルーシーについては日本でもよく知られている。脳の大きさや胴体はチンパンジーに近いのに、復元された膝関節が直立歩行する人間に似ているとされ、当時注目された。だが、その胴体と足の化石がそれぞれ3キロも離れた別の場所で見つかっていた事実はあまり知られていない。イ氏によると、サルから人間に進化する「中間段階」の化石として発表されたいくつかの証拠について、ルーシーのような致命的な欠陥のあることが科学者の間で知られているという。
イ氏は、人類の進化の系統図に「中間段階」として並べられたすべての化石が、ダーウィンの「種の起源」の発表された1859年以降に発見された事実を強調。「中間段階が発見されたから進化論が生まれたのではありません。サルから人間へ進化するという考えを持った、そこから探し始めたのです」と述べた。
また、無脊椎動物から魚、爬虫類から鳥類など、進化論で説明される様々な進化の段階における中間段階の化石が現在までに一つも報告されていないことを指摘。爬虫類と鳥類をつなぐ発見としてダーウィンが評価した「始祖鳥」についても、あくまで鳥の化石であり、中間段階の化石ではないという。
イ氏は、ダーウィンがガラパゴス諸島で「種の進化」と評価した種の多様性は、後にメンデル(1822〜1884)の論文で明らかとなる「変異」(一つの種の中で多様化すること)にすぎなかったことを指摘。さらに「突然変異」については、遺伝情報にダメージを与えるだけであって、それにより他の種から他の種が生まれる「進化」は起こらないと強調した。
また、日本人が教科書で見慣れている地質柱状図(単純な生物の化石ほど地層深くに埋まっていることを図でわかりやすく説明した図)のような地層構造は、地球上でいまだ観察されておらず、実際の化石はどれも水平に埋まっているなどと語った。
イ氏は、進化論の最も根底にある考え方は、目に見えるものですべてを語ろうとする唯物論であると指摘。「見えるものは、目に見えているものからできたのではな」(ヘブライ11:3)いのであり、人は、見えるところは似ているが見えない部分でまったく異なるサルではなく、「(目に見えない)創り主のかたちに似せて造られたのです」(創世記1:26)と述べた。