8〜9日まで横浜で開かれた「日本プロテスタント宣教150周年記念大会」には海外からも多くの来賓が訪れた。その中の1人、世界福音同盟(WEA)のキム・サンボク議長に、記念大会に参加しての感想や日本の教会に対する印象などを聞いた。
― まず、日本プロテスタント宣教150周年記念大会に参加されていかがでしたか。
対外的に耳にしていた日本の教会のイメージよりも、健全ですばらしかった。エキサイティングで、現代的、先進的、多くのタラントを持っていると感じた。何よりも、日本の教会が一つになった姿を見れて、今後日本の教会に大きなリバイバルが起こると感じた。教会が一致するとき、霊的なリバイバルが起こる。これから日本のリバイバルが起こる準備ができたのだと思う。
― 世界には多くの教会があるが、その中にある日本の教会の特徴は何だと思うか。
日本の教会の良いと思う点は、小さくても成熟していて、霊的に質が高いというところ。小さくても、世界の教会から尊敬を受けているところがある。日本の人々は一般的にキリスト教的な資質を持っていると感じる。文化的に、社会的に。しかし、その中にイエス・キリストがない。イエス・キリストさえその中にあれば、すべてを備えた人々だと言える。
― 隣国韓国ではクリスチャンが人口の3分の1とも言われているが、日本は1%にも満たない。何が違いの理由だと思うか。
いろいろな理由があると思うが、日本人は遠慮し過ぎるところがあるのではないか。他人に異なるものを伝えることを恐れている。大胆に伝えられない性格。また、知的過ぎて、情緒的に何か扉が閉ざされてしまっているように感じる。しかし、昨夜(大会1日目)の様子を見ると、いよいよ日本の教会が開放されて霊的に、知的に、情緒的に自由になり始めたのではないかと思う。人間は体、心、魂があり、これら3つがすべてキリストに向うべきだ。頭だけで理解するのではなく、心と感情においても自由を得るべきだ。
一方で、韓国人は最後まで伝えようとする。また何でも自由に表現する。ある時は大声で祈ったり、またある時は力強く長い時間賛美を歌ったりと。心が開かれている。また韓国は貧しく、歴史的に苦痛が多かった。特に心に苦しみを持つ人が多く、イエスにある自由、霊的な自由を韓国人は受け入れやすかった。また、それらが希望や力を与え、外面的には貧しかったが、内面的な満足を与えた。また貧しかったため、病気になっても祈るしかなかった。そこで実際に奇跡を体験し、また経済的な面においても、貧しい中で神の働きかけを体験した。韓国社会においてキリスト教は、人々に積極的な生き方をもたらし、生活や文化、心に革命を起こしたと言える。
― 世界宣教やアジア宣教において、日本の教会はどのような役割を果たすことができると思うか。
宣教は神に召された人がなすものだ。日本人からも誰かが世界宣教に召されたならば、どこへでも行かなければならない。日本人が宣教に赴けば、生活の一部となった、質の高い信仰を伝えることができると思う。
また、日本は世界で2番目の経済大国。実際的な貧困や社会の様々な課題を日本の教会が解決することで、その過程を通して多くの人をキリストに出会うように導くことができる。世界的にも尊敬されている日本人が宣教にでれば、よく受け入れてくれると思う。
― 日本人が世界的に尊敬されていると言われるが、特にアジア諸国では反日感情が高い面があると思うが。
確かに、アジアの諸国は日本を嫌がる。戦争のことがあるから。しかし、日本のキリスト教会は正直になることができる。キリスト教は赦しを求めることを恐れない。間違えれば悔い改めて赦しを求めることをクリスチャンはできる。しかし、日本の政治家はそれができない。日本の政治家は過去を否定して認めようとせず、また恥ずかしく痛ましい過去だからなかったことのようにする。その点においては、日本が正直ではないから、世界から良く見られていない。
一方、ドイツは正直にユダヤ人へ対する虐殺があったことを認めている。私たちが間違えてしまった、二度とこのような過ちは繰り返さないとしている。日本の政治家たちが歴史的過ちを認めて、悔い改め、赦しを求めればドイツのように尊敬を集めることができる。このように過去の歴史を完全に清算して未来思考的に、「これからの日本はアジアに仕える」という姿勢を見せれば、日本政府はさらに尊敬を受けることになると思う。
【キム・サンボク(Rev.Dr. Sang-Bok David Kim)】 ソウル大学(BA、韓国)、フェイス神学校(S.T.M. M.Div、米国)、ワシントン聖書大学・首都聖書神学校(DD、米国)、トリニティー福音神学校(DLitt、米国)、グレイス神学校(Th.D、米国)を修了。ワシントン聖書大学神学教育・宣教アジアセンターで教鞭を取り、トーチ・トリニティー神学大学院学長、アジア神学協議会会長などを歴任。現在、韓国世界宣教協議会(KWMA)共同会長、韓国独立教会宣教協議会(KAICAM)会長、アジア福音同盟(AEA)議長、トランスフォーム世界運動議長、世界福音同盟(WEA)国際委員会議長、韓国ハレルヤ・コミュニティー教会主任牧師。