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平野耕一牧師「イエス伝」(7)・・・激変への引き金(上)

2009年6月19日10時27分
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 新しい自分を発見すると人は変わる。内に秘められた才能や賜物に目覚めるときに人は飛躍する。今まで見えなかった未来が見えてくる。生まれてきた宿命が姿を現す。天命を知りたいと切望する。そして、天命に気がつくとき自分の殻を破る。いままでと違った自分が誕生する。



 自己発見、賜物の目覚め、天命への召しなどは、あるひとりの人物との出会いが契機になって、突然引き出される。ある人物の登場、そのことば、その行動、その生きざまが鋭い刺激となって、長い間眠っていた内面の世界を呼び覚ますのだ。



 几帳面で評判のよい大工であっても、それまで一人の田舎職人にすぎないイエスをパワーフルなヒーラーに変貌させたのはバプテスマのヨハネとのコンタクトであった。



 バプテスマ(洗礼者)とはヨハネのニックネームである。ヨハネは旧・新約聖書の中で最もカリスマティクな人物でユニークな仕事を成し遂げた男だ。単刀直入なメッセージを語ると共に、彼のメッセージを受け入れた者にすぐその場で悔い改めのバプテスマを授けていたのも特徴だ。



 バプテスマとは水に沈めるという意味だが、メッセージを信じて悔い改めた者をヨルダン川に文字通り体全体を沈めて洗礼を授けていたのだ。毎日数えきれない人々が彼のもとに押し寄せ、メッセージを聞いては心を打たれ、バプテスマを受けた。



 一言で表現するなら、彼は「魂を揺さぶる男」であった。彼の姿、彼の表情、彼の眼光、彼のことば、彼の声、彼の叫び、その一つ一つ、人々は彼を無視することができなかった。人々の心は激しくゆさぶられた。



 彼はレビ人であり祭司の家庭に育ったのに、父親が活動した、神殿にも教育の場としても用いられたシナゴクに姿を現さなかった。荒野の岩山や洞窟や川べりが彼の説教の場であった。



 その声は、存在の根底からにじみ出して叫び声になった。時には勢いよく流れる奔流のように、彼の口からことばがほとばしり流れ出た。ライオンのような吼え声が、ユダの荒野に鳴り響いた。当時の律法学者や教師たちのように細かな説明や解釈をしたのではなく、断定的に短く語った。その権威ある語り口調を、人々はそれまで聞いたことがなかった。彼は自ら「荒野で叫ぶ声」と呼んだ。



 罪を悔い改めよ。神の怒りが迫っているのだ。
 アブラハムの子孫だからといって救われると思うな。
 悔い改めにふさわしい実を結べ。生活を変えるのだ。
 斧はすでに木の根元に置かれている。今、悔い改めよ。
 バプテスマを受けるのだ。そうすれば赦される。



 人々の魂は引きつけられた。ユダヤ全国の人々とエルサレム全住民が彼のところに行き、自分の罪を告白して、ヨルダン川で彼からバプテスマを受けていた。類まれなるスケールの大きなリバイバルが燃える炎のように国中に広がりつつあった。彼の単純なメッセージは国中をわきたたせていたのだ。



 新しい時代が始まったことを人びとは実感した。待ちに待ったメシヤがついに現れた、この男こそメシヤではないだろうか、人々は期待で胸をふくらませた。



 遠いナザレにも彼の噂は聞こえてきた。彼の名前を口にしない者はいなかった。イエスはヨハネのことが気になってしかたがなかった。聖書を読んでも彼のことを考えてしまう。祈っていると彼の姿が浮かんでくる。仕事をしてもユダの荒野に出現した預言者バプテストに思いは飛んで行ってしまうのだ。どうしても、この男に逢わなければならないと思った。しかも、これ以上待てなかった。



 イエスが会わずにいられなかったもう一つの理由は、ヨハネが六カ月年上の従兄弟だったからだ。ヨハネの両親ザカリヤとエリサベツが死んでからヨハネとの交流は絶たれていた。そのヨハネがバプテスマと呼ばれて復興運動を国中に燃え上がらせているのだ。従兄弟ヨハネに何が起こったのか見出さなければならないと、イエスは痛感した。主なる神が、自分をヨハネに引き入れようとしていることを切々と感じた。居ても立ってもいられない。動かなければならない。しかも、今すぐに。



 同時に、自分に大きな変化が起ころうとしていることを察知した。それは、ナザレの生活、家族、仕事を捨てることを意味した。彼は仕事をたたみ、家族に別れを告げてナザレを離れた。28歳の頃であった、と私は想像する。



 イエスはヨハネとの出会いに恋い焦がれた。ユダの荒野に向かって2百キロほどの徒歩の旅出である。自分探しの旅であった。幸い、ヨハネを見つけることも近づくことも難しくはなかった。花形預言者であり、カリスマ・リバイバリストで、この荒野の一匹オオカミは群衆に囲まれていた。



 イエスがヨハネの姿を見、そのメッセージを聞き、その叫び声を耳にしたとき、イエスは根底から揺り動かされた。うわさは聞いていたが自分の目で確かめると、すさまじいまでの迫力をもっていた。間違っていなかった。ついに会うべき男に出会った。この姿を見、このことばに触れ、この声を聞きたかった。



 幼少期には従兄弟同士として触れ合ったこともあったが、荒野でのヨハネはそれまであったことのない人物像を呈していた。否めないことは一つ、ヨハネは神に選ばれ、神に召され、神に命じられたことを行っていたこと、これは誰の目にも明らかだった。ヨハネの存在とことばの中核に主の存在が貫いていたし、その行うすべてに生ける神のにおいがただよっていた。



 ヨハネは一言で表現するなら野人、つまりワイルドな男であった。荒野に住み、ラクダの毛衣を着、皮の帯を締め、いなごと野密を食べ、野人そのままにその姿を現した。そして、その姿よりもイエスの心を揺るがしたのは、ヨハネの内面に燃え上がる野生にあった。これほど神に対して、山火事のように荒々しく激しく燃えている熱情を見たことはなかった。彼の声を聞いたその瞬間、心の底から熱いものがこみ上げてきてからだ全体を熱くした。ヨハネのうちに燃えたぎる野生こそ、イエスの心に火をつけ、使命に目覚めさせ、存在の根底を揺るがしたのだ。



 イエスは人ごみの中で自分の番を待っていた。 (次回につづく)



◇



 平野耕一(ひらの・こういち):1944年、東京に生まれる。東京聖書学院、デューク大学院卒業。17年間アメリカの教会で牧師を務めた後、1989年帰国。現在、東京ホライズンチャペル牧師。著書『ヤベツの祈り』他多数。

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