Skip to main content
2025年7月5日21時40分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
リビングストンの生涯

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(15)栄光の後に悲しみが

2021年12月15日17時59分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
  • ツイート
印刷
アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説+
リビングストン(1813〜73、写真:Thomas Annan)

1856年12月。リビングストンは懐かしい祖国英国に帰った。人々はアフリカ大陸の開発に成功した英雄を熱狂的に迎えた。リビングストンはトマス・スティール大佐やオースウェルとも再会できた。メアリー夫人と子どもたちは、スコットランドでリビングストンの母や姉たちと一緒に平和に暮らしていた。

12月15日は王立地理学会が彼を晩餐会に招き、16日にロンドン伝道協会も彼を晩餐会に招いた。そして彼はあの懐かしいリスドン・ベネット博士とも会うことができたのだった。彼が大通りを歩けば人々が押し寄せてきてサインを求め、新聞社や雑誌社の記者はインタビューするために彼を追い回した。

オックスフォード大学とエディンバラ大学での講演では、彼はアフリカの窮状を訴え、現地の人々は白人よりもはるかに純粋で、素直にキリスト教を信じ、救われる人が多くなったことを語った。すると学生たちは感動し、話し合った結果、ケンブリッジ、オックスフォード両大学の協力によって「大学伝道団」というものを作った。そして、マッケンジーという人が監督となった。

その後リビングストンに数々の栄誉が授けられた。「ロンドン名誉市民」そして「グラスゴー大学の名誉学位」などである。出版社は彼の手記をまとめ11月『宣教紀行』として出版し、たちまちベストセラーとなった。

そのうち、ビクトリア女王が彼を招いた。彼女は自分の名前が付けられた滝に興味を持ち、彼の開拓事業に対し、ねぎらいの言葉を掛けた。そして、彼が原住民を愛をもって教化したことに対し特別に評価した。

「何か望むことがありますか?」女王は尋ねた。すると、リビングストンは言った。「女王様。あなたのお力で奴隷制度を廃止してください」。すると、女王は悲しそうに微笑して首を横に振った。「私の力には限りがあります。けれども駐在のポルトガル大使は話の分かる人なので、奴隷の輸出を抑えることができるでしょう」

「私は再びアフリカに行くので、わずかなりともご支援を頂けるとありがたいのですが、女王様」。リビングストンの言葉に女王は驚きつつも、応援部隊を作らせてアフリカまで同行するよう取り計らってくれたのだった。

こうして1858年3月10日。リビングストンは英国政府の援助によってペディングフィールド中佐を航海長とする6人の探検隊を組織して、家族と共に再びアフリカに向かった。

しかしながら、今度は悪いことばかりが続いて起きた。出発後、間もなくメアリーが病気になり、ケープタウンに着く頃には悪化して起き上がることもできなくなってしまった。悪いことに、ケープタウンには両親のモファット夫妻が来ており、彼らは病み衰えた彼女を見て仰天した。そして強引に夫人と子どもたちを連れて帰ってしまった。リビングストンは再び一人ぼっちになり、旅を続けた。

キリマネからテーテに出、最も危険な急流といわれるゲブラバサ急流を通ってザンベジ川をさかのぼろうとすると、次の障害が起きた。マ・ロバートという小さな蒸気船を作った男が悪賢い男で、古いボイラーと欠陥のあるエンジンを船に取り付けたので、間もなく船は故障し、日程もすべて狂ってしまった。さらに悪いことにゲブラバサ急流に差し掛かると、船が転覆してしまい、リビングストンの大切な日記や植物・動物の研究ノート、資料がすべて失われてしまったのである。

「この旅はどうもついていない。一応英国に帰って準備し直しませんか」。ペディングフィールド中佐が言ったが、リビングストンは強引に進んだ。そのうち、従者たちの多くが体の不調を訴え、ひっきりなしに襲ってくる蚊の大群や焼け付くような暑さ、飢えなどのために、一行の体力はとみに衰えていった。やがてザンベジ川の一番上流にある滝に到達したとき、リビングストンは再びマラリヤにかかり、半死半生の体を引きずるようにして進んだ。

やがてポルトガル領に入り、見知った町や村を通ったとき、彼は目を疑った。以前と様子がまったく違っており、畑も小屋も、道も――すべて跡形もなく消えていた。そしてあたりは無残に荒らされ、放置された死体をハゲタカがついばんでいた。現地の黒人たちは彼の姿を見るや、大声を上げて逃げ去った。

「おおい、私だよ」と、彼は叫んだ。「リビングストンは大うそつきだ。ポルトガル人の回し者じゃないか!」一人が憎しみを込めて叫んだ。一体何があったのだ。彼はぼうぜんと立ち尽くしていた。

*

<あとがき>

英国に帰ったリビングストンは、一躍英雄と見なされ、多くの人から大変な歓待を受けます。ロンドン伝道協会や王立地理学会から晩餐会に招かれ、大通りを歩けば通行人からサインを求められ、新聞社や雑誌社はインタビューをするために彼を追い回す始末でした。

その後、「ロンドン名誉市民」「グラスゴー大学名誉学位」など数々の栄誉が授けられます。こうして、祖国で素晴らしい日々を過ごした後、再び彼は政府の援助のもとアフリカへと向かいました。

しかし、今度は栄光の日々の中では予想すらしなかった困難が次々と襲い掛かります。悪天候と劣悪な環境の中でメアリーが病気になり、それが原因でモファット夫妻との間に溝ができたこと。悪い技師のためにエンジンが故障し、船が転覆したことから大切な研究資料が失われたこと。そして、ようやく到着したアフリカで彼を待っていたものは、あまりにも過酷な現実だったのです。

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説
(画像:栗栖ひろみ著『信仰に生きた人たち 第3巻 リビングストン』[1982年、ニューライフ出版社〕)

<<前回へ     次回へ>>

◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
  • ツイート

関連記事

  • アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(14)ビクトリアの滝を発見する

  • アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(13)困難な旅を続けて

  • アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(12)敵を愛しなさい

  • アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(11)仲間を売る者たち

  • アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(10)不幸な仲間を救ってください

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • 聖書のイエス(12)「初めに、ことばがあった」 さとうまさこ

  • 聖書から事実を引き出す学び「IBS」を分かりやすく説明する講座 7月12日から

  • ワールドミッションレポート(7月5日):コロンビア コカ農家から最前線の福音伝道者へ

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • シリア語の世界(27)シリア語旧約聖書の各書名と1章1節の和訳 川口一彦

  • 苦しみというプレゼント 菅野直基

  • 同志社女子大学とノートルダム女学院高校、教育連携協定を締結

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • Gゼロ時代の津波石碑(3)日中韓、泥沼化する「桜の起源」論争 山崎純二

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

  • シリア首都で教会狙った自爆テロ、25人死亡 現地のキリスト教徒ら、さらなる暴力懸念

  • 花嫁(28)伝道の思い 星野ひかり

  • 全ての人の主イエス・キリスト 万代栄嗣

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(7)人は「単独者」である 三谷和司

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • Gゼロ時代の津波石碑(3)日中韓、泥沼化する「桜の起源」論争 山崎純二

  • 同志社女子大学とノートルダム女学院高校、教育連携協定を締結

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(233)聖書と考える「キョコロヒー」

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.