・・・イエスが舟に乗ろうとされると、悪霊につかれていた人が、お供をしたいとイエスに願った。しかし、お許しにならないで、彼にこう言われた。「あなたの家、あなたの家族のところに帰り、主があなたに、どんなに大きなことをしてくださったか、どんなにあわれんでくださったかを、知らせなさい。」・・・(マルコの福音書5章1節〜20節)
麻生総理が漢字の読み間違いをしていると、最近ちょっと話題になっています。十分に頭のよい方であることはわかるのですが、たぶんずっと持ち上がりの学校で、受験勉強をちゃんとやらなかったのだろうと思います。その付けが回ってきたようです。総理大臣であっても弱点を挙げればきりがありません。弱い私たちだからこそ、イエスからの癒しの力をしっかりと頂くことができるのです。イエスは、昔の救い主でも、単なるキリスト教の創始者でも、知識の中だけの救い主でもありません。今ここで働いて下さり、この場に生きて下さる、まことの救い主、癒し主です。
人間はどんなに大切な価値あるものでも、慣れてしまいます。しかし信仰に関して、イエスの救いや癒しに慣れてしまって、それがリアルな事実であることを感じることができなくなっては困ります。この朝共に体験したいのは、今もリアルな事実として行なわれるイエスキリストの癒しです。
1.死んだも同然の状態からの癒し
この男が住みついていたのは墓場でした。そこは死が宿る場所です。確かに彼の心臓は動き、血液も流れていましたが、彼の魂は死人のようでした。しかし、そんな死人も同然の人が癒されるのです。
どれほど不況と言われても、まだまだ豊かな日本で、過去9年連続して毎年3万人を超える自殺者が出ています。ひとつの町が消滅するほどの悲劇が起こっているのですが、ひとつひとつの死はニュースにもなりません。そして、さらに多くの死んだも同然の生き方をしている人々で満ちているのです。それは他でもない、もしかするとあなたのことです。あなたは毎日忙しく生活しているかもしれませんが、様々な問題や悩みの中でくたくたになり、魂がカラカラに干からびて抜け殻のようになっている自分を感じることがないでしょうか。
あなたの心の中に、イエス・キリストの事実を生かして下さい。主は死人同然の人さえ癒し回復して下さるのです。
2.気が狂うほどの状況からの癒し
彼は、まさに狂人で、もう、人間とは呼ぶことはできず、その生き様はまさに獣でした。彼の悩み、問題、背負っていた人生の悲惨は、彼をまともな人として生きることを許さないほど大きかったのです。でも、そんな男を神は真人間にして下さいました。
単に傷が治ったり熱が下がったというような、肉体的な病の癒しだけではありません。イエスが働かれるときには人を狂わせるほどの大きな悩みや霊的な圧迫からも癒して下さいます。
3.数え切れないほど多くの問題からの開放
彼を支配していたのはレギオンと呼ばれる悪霊でした。それは、彼から出て行ったときに豚二千匹を狂わせるほどの、圧倒的な数の悪霊でした。
私たちが何かで悩むとき、複数の要素が複雑に絡み合っているのが普通です。お金や、人間関係、夫婦関係や子育て、仕事のこと、老後のこと・・・。
彼も二千匹の豚が狂って死んでしまうほど、多くの複雑に絡み合った問題の中で苦しんでいたのです。そんな人物がイエスと出会うと癒されたのです。
あなたはいつのまにか、死んだ者のようになっていることがあるのかもしれない。数え始めるときりがないほどの大きな問題に押しつぶされ、もう途方に暮れて気が狂いそうな現実の中にいるのかもしれません。そんなリアルな病の中にある私たちに対して、救い主であるイエス・キリストがこの場所にいて下さることを心から感謝しましょう。
主は驚くべき力によってその男を癒して下さった。その力はすさまじく、人々には理解できず、恐れてイエスにそこから出て行ってほしいと願うほどのものでした。それは、人々にとっても、その男にとっても、本当にリアルな体験だったのです。イエスは今もあなたのためにリアルに働いて下さり、事実としての癒しを行なって下さいます。
私たちは、聖画に出てくるような美しいイエスをほのぼのと伝えようとするのではだめです。私の人生を変え、私の愛する者たちの人生を変えてくださる、本物の主の癒しを体験しましょう。そして、そのリアルな癒しと救いを人々に伝えてゆこうではありませんか。
さあ2008年のこのクリスマスを目の前にした深まりゆく秋の中で、私たちひとりひとりがリアルな主の癒しを頂きましょう。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。