世界7500万人のキリスト者が所属する世界改革教会連盟(WARC)のクリフトン・カークパトリック議長とセトリ・ニオミ総幹事がこのたび来日し7日、東京都新宿区の日本キリスト教会柏木教会で行われた礼拝に参加した。「世界の教会を覚えて」と題された礼拝ではニオミ総幹事が説教し、礼拝後にはカークパトリック議長が「今日の世界における教会の使命―改革教会の視点から」と題して講演。ともにキリスト者における「一致」の必要性を強調した。
日本キリスト教会、在日大韓基督教会、カンバーランド長老教会など日本の改革派諸教会の関係者らが出席した礼拝でニオミ総幹事は、イザヤ書49章1〜6節、エペソ人への手紙4章1〜6節を引用、「我々は神によって共に結ばれて一つ。これは賜物だ」とキリスト者にある一致を語った。
ニオミ総幹事は、キリスト者に求められている「霊による一致」について、「コイノニア(交わり)への神の召しに対する応答にほかならない」「神は我々を、神と、また互いの愛によって特徴付けられた特質とも言うべき関係へと召している」と指摘。人間同士の間であるべき関係性を、「我々が意見を異にする事柄を取り扱わなければならないような場合でも、一致のもとに、互いのために心を配る」という姿で説明した。そして、「自分と親しい者に限られていた関係を超え、すべての者と愛の中で関わっていくことを大胆になすように促すために、我々を招いている」「これこそ、長年キリスト教共同体を煩わせてきた数々の分裂を克服するために欠かせないものだ」と強調した。
また、「霊による一致」は、「平和のきずなで結ばれている」(エペソ4:3)ことで最も良く果たされると指摘。世界中の多くの人々が貧困で苦しみ、多くの女性たちが抑圧されるなどの諸悪が存在している限り、「我々が平和のきずなに結ばれて共にある、などと主張することは難しい」と語った。また、「平和のきずなに結ばれた霊による一致が、自動的にもたらされるわけではないことを認める。努力が必要だ」と述べ、「平和のきずなに結ばれた霊による一致を維持していくためにあらゆる努力をなしていくことが、この国にある諸教会を力づけるに違いない」と訴えた。
一方、カークパトリック議長は講演で、現代が歴史上今までにない変化の時代だと語り、その中で与えられているイエス・キリストからの宣教に関する命令を4つに分けて説明した。
1つ目には、「イエスが弟子たちに求めていること、特に今日求められていることは、我々が信仰深い伝道者であることだ」と、マタイの福音書28章19〜20節にある「大宣教命令」を挙げ、2つ目には、マタイの福音書25章にある羊と山羊を分けるたとえ話を引用し、「最も小さい者」に対する愛の心の必要性について語った。3つ目として、ルカの福音書4章にあるイザヤがイエスに対して預言した言葉から、貧しい人々に対する慈愛の心だけではなく、具体的な行動が必要であることを指摘。また、最後の4つ目には、ヨハネの福音書17章にあるイエスが最後に祈られた箇所を上げ、教会の一致を求められていることを語った。
カークパトリック議長はこのほか、困難にある世界の教会のことを互いに覚え、祈ることの大切さを強調。「世界の教会を覚えて」と題された今回の礼拝では、特に迫害が続くイラクとインドの教会のために心が向けられた。