長崎県平戸市の教育委員会は26日、隠れキリシタンの殉教遺構実証の発掘調査をしていた同市根獅子地区の「ウシワキの森」で殉教者の埋葬跡ではないかと見られる石組み遺構が出土したと発表した。西日本新聞が伝えた。
「ウシワキの森」は、隠れキリシタンの弾圧時代に、1000人の村人をかばって処刑された一家6人が埋葬されたと伝えられている場所。世界遺産の暫定一覧に選ばれた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の新たな構成遺産の一つである生月島・平戸島地域にあり、同市教委が18日からの4日間にわたり発掘調査を実施していた。
同紙によれば、石組みの遺構が出土したのは2カ所で、深さ約50センチの地中からいずれも長さ約1.2メートル、幅約1メートルにわたる遺構が確認された。
この遺構は、明らかに人為的な石組みであることから埋葬に関係する遺構ではないかと見られているが、人骨などの時代を特定可能な遺物は出土していないため、さらに詳細な鑑定が進められる予定。
25日からは、教会が焼き討ちにあったとされている生月島の「焼山」の発掘調査も開始されており、新たな出土物による歴史的発見が期待される。