・・・その子をお弟子たちのところに連れて来たのですが、直すことができませんでした。」イエスは答えて言われた。「ああ、不信仰な、曲がった今の世だ。いつまであなたがたといっしょにいなければならないのでしょう。いつまであなたがたにがまんしていなければならないのでしょう。その子をわたしのところに連れて来なさい。」そして、イエスがその子をおしかりになると、悪霊は彼から出て行き、その子はその時から直った。・・・(マタイ17章14節〜21節)
8月半ばから世間はオリンピック一色となり、高校野球もプロ野球も忘れ去られるほどです。しかし、マスコミや世間の時流に乗せられ、日本中が盛り上がるということは、その逆に、国中が悪い方向に流される可能性もあるということです。しかし、私たちの心の中には、聖霊の働きによってキリストの愛が豊かに注がれて自分自身の内側から喜ぶ秘訣を与えられていますので、どのような状況の中にあっても喜べるので感謝です。
今日の聖書箇所に出て来る弟子たちは、ある意味で私たちの象徴です。私たちは、どれほど一生懸命で心を込めていても、完全ではなく、常に不十分で弱さを抱えています。だからイエスが必要なのです。弱い私たちの力の範囲を遥かに超えて、救い主であるイエスの力が働き、「どんなことでもあなたがたにできないことはありません」という約束を体験しながら歩むことができるのです。
そのために2つのことを心の中に刻みつけましょう。
1.曲がった時代だからこそ現わされる主の癒し
主イエスの業は完璧な条件や環境が整ったから現わされるのではありません。曲がった今の時代、不信仰な人々、だからこそ、「その子をわたしのところに連れて来なさい」とイエスは語られ、御業をなして下さいました。
平和の祭典オリンピックで世界の指導者たちが親しげに握手を交わし、その同じ時にグルジアでは戦争が勃発、殺し合いが始まったのです。私たちも物質的には豊かになりましたが、心は空っぽで、ストレスが溜まり不眠や鬱(うつ)で悩んでいる人が大勢います。21世紀の社会は、豊かで恵まれていてもみんな幸せとは言えません。むしろ曲がった汚れた不信仰な世の中です。しかし、それでもイエスは私たちと共にいて下さるから感謝なのです。イエスに信頼しましょう。薬や手術があなたを治すのではなく、本当の元気といのちをお与え下さるのは神です。
2.どんなことでもできる
癒しの御業がイエスによって起こるとき、私たちは次のステップへと信仰を成長させなければいけません。
どうして悪霊を追い出せなかったのか、弟子たちはイエスに訊きました。イエスは答えて言われました。「あなたがたの信仰が薄いからです。まことに、あなたがたに告げます。もし、からし種ほどの信仰があったら、この山に、『ここからあそこに移れ。』と言えば移るのです。どんなことでも、あなたがたにできないことはありません。」
弟子たちは表面的にはイエスの祈りの言葉を完璧に真似ていたでしょう。しかし求められているのは、からし種ほどでもかまわないから働く信仰があるかどうかです。からし種ほどの信仰でもあれば、あなたがたにできないことはありません、とイエスは断言されました。私たちには、どんなことでもできるという約束があるのです。信仰を働かせ、つまらぬ限界を設けなければ神の力は流れるのです。
胃が痛いときに、病院で「胃が荒れてます」と言われるのと、「癌です」と言われるのとでは、私たちには大きな違いがあります。しかし、私たちにいのちを与えて下さった神には、その違いはありません。
ムーイ先生の癒しのセミナーで、背骨の圧迫骨折だった姉妹が癒されました。8年間苦しみ続けて、医者からも治らないと言われていたのですが、祈った瞬間痛みが消え、その後撮ったレントゲン写真を見た医者は、「どこが骨折していたのか、その痕跡さえない」と言ったのです。
どんなことでもできる、という約束の鍵は信仰です。からし種でいいから信仰を働かせましょう。そして自分の心の中に限界を設けないことです。「どんなことでも、あなたがたにできないことはありません。」というお言葉は、ほかでもない、イエスがあなたに対して語って下さったお言葉です。主の御業を頂きましょう。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。