長崎県などは28日、11月に長崎市で開かれる「ペトロ岐部と百八十七殉教者」の列福式関連事業の概要を発表した。県美術館、長崎歴史文化博物館、日本二十六聖人記念館で企画展などが開かれる。長崎新聞が報じた。
県美術館では10月3日から11月27日まで、「彫刻家 舟越保武−かたちに込める祈り−」展を開催。「二十六聖人記念碑」などキリスト教をテーマにした作品を多く手掛けた舟越氏の初期から晩年までの作品が展示される。
長崎歴史文化博物館では11月1日から来年1月12日まで、「バチカンの名宝とキリシタン文化−ローマ・長崎 信仰の証−」を開催。「聖母子像」などバチカン美術館の所蔵品や、キリシタン大名の大村純忠の文書など約200点が展示される。
一方、日本二十六聖人記念館では歴史文化博物館と同じ日程で、「殉教者とその時代」と題した特別展示を実施。西坂での殉教の様子が描かれた国内初公開の絵画などを展示し、日本でのキリスト教布教と殉教の歴史を振り返る。
県文化振興課によると、これら企画展開催に伴いバチカンなど海外から31点の美術品や資料を借り受けるが、うち28点は国内初公開となるという。
「列福」とはカトリックにおいて、死後その徳と聖性を認められた信徒に「福者」の称号が与えられるというもので、11月24日に長崎で開催される「ペトロ岐部と百八十七殉教者」の列福式は日本初の列福式となる。国内及びアジア各国から多数の来訪者があると見られ、日本カトリック司教協議会は約2万人の参加を見込んでいる。