・・・ついにいのちさえも危うくなり、ほんとうに、自分の心の中で死を覚悟しました。これは、もはや自分自身を頼まず、死者をよみがえらせてくださる神により頼む者となるためでした。ところが神は、これほどの大きな死の危険から、私たちを救い出してくださいました。また将来も救い出してくださいます。なおも救い出してくださるという望みを、私たちはこの神に置いているのです。(コリント人への手紙第二1章8〜10節)
多くの人々は、あれがあれば、このような状況になれば幸せになれるのにと考えます。しかし、今の日本では、楽しみを享受する物や場所が溢れ、どの時代の人々よりも幸せなはずなのです。にもかかわらず、個人にしても地球規模でも問題は山積し、悪は蔓延し、自殺者は減りません。
本当の楽しみや喜びに溢れる日々を歩むためには、周りの状況を変えるより、自分自身の内にある不安を取り除くことが必要です。毎日の生活を喜べず、落ち込み気味だと感じている兄弟姉妹、気を付けて下さい。その原因は、職場や学校や社会にあるのではなく、あなたの心の中の不安や恐怖にあるのです。
たとえ心の中に恐れや不安があろうとも、私たちの弱さに触れて下さる救い主イエスによって心の不安は取り除かれます。
パウロの書いた神からの約束は、単なる書物ではなく、事実であり、同じ事実が私たちの信仰生活の中にも起こります。不安に対する勝利の秘訣を、このパウロの話から学びましょう。
1.人生のピンチは誰にでもある
最近は少し辛いことがあったり、問題に出くわすと、弱音を吐く人が増えています。いつの間にか、他の人々は幸せで、自分だけが世界で一番苦しんでいる、呪われていると思い込んでいませんか?それは誤解です。
あなたが苦しんでいるのは事実でしょう。しかし、人生の苦難や試練は多かれ少なかれ誰でも体験するものです。
パウロも書きました。伝道中に激しい圧迫を受け、心の中で死を覚悟するほどの危険、絶体絶命のピンチに陥ったのです。
彼が悪を行なったからピンチに陥ったのではありません。誰よりも信仰的に真面目で、イエスの弟子として神の使命に生きるすばらしい人生を歩んでいたのです。自分が不真面目だったり悪いことをしたから罰が当たると考える人がいますが、誰の人生の中にも、試練や苦しみ、ピンチがあるのです。それが人生に伴う一つの真実です。
2.ピンチはチャンスになる
ピンチはチャンスになり得るのです。それは、ピンチに陥ることにより、自分ではなく神により頼む生き方へと自分の生き方をシフトする、つまり変えることができるからです。
確かにピンチはピンチです。しかし、試練や困難の中で自分の力の限界を感じ、今まで持っていた固定観念や先入観をがらりと変えて新しい生き方を体験することができるのです。
どのような危機や苦しみがあっても、その瞬間、愛をもって私たちの人生を導いて下さる神がいることを感謝しましょう。パウロは死を覚悟したとき、自分ではなく神を頼りにする生き方が開けたと語っています。
人生の絶体絶命のピンチが、むしろ神に結びつく新しい生き方へと変化するチャンスになるのです。これは私たちの人生に与えられた恵みなのです。
3.神の救いを体験し、それが将来さえも保障する
この救いの体験を通して、将来の希望さえ保障する、神の力による恵みの循環が生まれるのです。
聖書が語る救いは、単なる概念ではなく事実です。パウロは人々から石打ちに遭い、投獄され、鞭で打たれ、死刑に処せられそうになりました。ある時は船が沈み、山を歩けば盗賊に襲われ、何度も何度も死を覚悟しました。しかし、その瞬間、自分ではなくて神に叫び求め、救いは事実となったのです。
単なる理論や概念ではなく、神はパウロを幾度も救い出して下さいました。そしてこの経験を通して、将来も救いを与え助けて下さるという希望を持ち続けることができたのです。ですから、その生涯が困難や苦難に満ちていたにもかかわらず、彼はいつも喜びと感謝に溢れていたのです。
イエスの十字架の死によって私たちの罪は取り除かれ、永遠の命の恵みをいただいているのです。
あなたの人生に起こっている試練やピンチは神の計画に織り込み済です。そして1回1回のピンチは信仰を強めチャンスを拡大し、神から与えられる約束も大きくなります。神の救いは無限大ですから、どんな大きな問題よりも更に大きな祝福で私たちを満たして下さいます。
神と共に歩み、全てを主に委ねるなら、この夏は必ず祝福され、2008年の後半も恵みに溢れるものとなります。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。