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【ルポ】 受難週からペンテコステ 〜クロアチアの伝統を訪ねて〜

2008年6月10日01時21分
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十字架を担ぐ「Cross Carrier」と一行ら(ドン・ミリ神父提供) +
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 「キリストの受難を体験できる」。そんな噂を片耳に聞き、クロアチアの首都ザグレブに住む私は、「甦りのイエス」との出会いを期待して、そのキリストの受難を体験できるという伝統行事に参加することにした。



 日本から北西に約9000キロ。海岸部は古代ギリシャ・ローマの地中海都市文化、中世初期のロマネスク教会の遺産で溢れ、中央ヨーロッパ文化圏となる内陸部は中世後期の要塞や城館、バロック期の文化遺産が見られるクロアチア。1000以上の島々を持ち、大自然と豊かな遺産が残る、このバルカン半島の最西端の国には、1000年以上の年月を神とともに生きてきた人々の姿があった。



 受難週最終日となる3月19日、20日に、クロアチア南部のフヴァール島にある6つの村々で十字架を担ぐという行事があった。毎年ドイツやイタリアなど各国からから多くの人々が集まる伝統的な行事である。



 聖金曜日前夜の午後9時、重さ18キロの十字架を担ぐ「Cross Carrier」と付き添いによる行列が教会を出発した。これに聖歌を歌うクワイヤ、村人、人々が続き、夜を徹して約20キロの道を行進する。「キリストの苦しみを背負う」美しく悲しい行列である。



 「Cross Carrier」は誰もが出来る役目ではない。申し出た人たちは何年も順番を待たなければならない。フヴァール島で不動産業を営む女性、アナマリアさんの息子は38年間待って、2033年に十字架を背負うことが決まっている。志望者は死ぬまでに順番がくることを願っていると聞き、キリストの十字架を共に背負いたいと願っていた私は、ここで体験するのを諦め、ヴィス島のコミザ村まで足を伸ばすことにした。



 ここでも古くから同じ伝統を守り続けている。教会の関係者に申し入れて待つこと6時間。「あなたも今夜十字架を担ぐことができます」と司祭からの伝言が届いた。期待と不安の思いで午後7時のミサにでかけた。その儀式はドラマチックな演出であった。司祭がイエス、クワイヤが群集、語り手が物語を再現していた。「十字架につけろ!」と叫ぶ群衆を横切ってローマの兵隊が会堂の中央を何度も交替する。2つの劇が同時に進行していた。



 午後9時。雷のような大音響が轟き、鐘が鳴らされた。「Cross Carrier」による十字架の行進が始まった。「これを!」と渡されたのは先頭の「棒」であった。「十字架は?」と見回すと、期待よりずっと小さく、ゴルゴダまでの苦難を体験するには十分ではないと思われた。それでもイエスの苦しみを思いつつ夜の道を歌とともに行進した。



 期待していた十字架ではなかったことに失望して、翌日フェリーで再びフヴァール島に渡った。「Cross Carrier」を勤めた6人の中の一人と会うためであった。受難を体験した彼らは復活祭のヒーローである。ここで「甦りのイエス」に出会えるのではないかと期待してイースターのミサに連なった。悲しみの夜とはうって変わり、人々は喜びを顔に湛え、ハレルヤの合唱が会堂を満たしていた。



 しかし「イエス様はどこに?」と探しても、またしても期待は実現しなかった。満たされない思いを抱きつつ、ザグレブへ戻るバスの中で旅の数日を思い巡らしていた。「もっと重く、大きな十字架でないと甦りのイエスに会うことができないのでは?」「行く場所が違っていたのでは?」・・・。



 その時、イースターのミサが終り、司祭と話をした記憶が呼び起こされた。司祭は話の途中で近寄ってきた老女に目を止め、歩いて行って彼女と言葉を交わした。戻ってきた司祭の顔が「イエス」であった。エマオ途上の弟子の目が開けた出来事と同じであった。司祭の次には、トミシュラフ(教会の友人)の顔が見えた。それも甦りのイエスであった。次々と知っている人たちの顔が見えてきた。その真ん中にイエスの姿があった。「生きているイエス」、「甦りのイエス」に会うことができた。



 「神は生きて働いておられる!!」 そのようにイースターで実感できた喜びを日々感じていたが、心の隙間に何度か不安が過ぎって行った。「神様!」「イエス様!」と何度も呼びかけ、不安な思いを打ち消していた。



 イエスは甦られ、弟子たちに現れた。そして、その50日後は「聖霊」を受けるペンテコステである。この日を祝うイベントがあるのではないかと探してみた。ザグレブから東に250キロのところにゴリアニという村があった。そこでは、「White Sunday」呼ばれるペンテコステを伝統的な歌と踊りで過ごすと紹介された。



 この村は約750年前からの伝統が残っており、村に伝わる「Ljelje」は女性が王と女王を演じる華麗な祝祭である。お婆さんのお婆さんも娘の頃、帽子と剣を持ち村の家々を歌って巡った記憶が心に刻まれている。その昔、教会が村に建ち、「ペンテコステの祝い」と伝来の「歌と踊り」が一体となった祭りである。



 今年2月、「KUD Gorjanac(ゴリャナッツ)」の一行が日本を訪れ「クロアチアの無形文化遺産」として新国立劇場でその公演が催された。今年はペンテコステの5月11日、ミサの後に花で飾られた少女と楽隊が家々を巡り、夜はその伝統芸が披露された。この小さな村の人々が「神への畏敬」を顔に湛え、伝統を守り育んでいる姿が印象的であった。



 受難週とイースターが過ぎ、ペンテコステまでのある日、不思議な安らぎを感じ、どこかで同じ経験をしたと思った。それは子どもの時から感じていた「人の世界」を超える次元の世界である。そして祈り始めた時に「反応があった!」「神様!助けてください」と叫ぶと、「安心しなさい。私はここにいる」と応えが返ってくる。私のうちに「聖霊」が宿り、主イエスとの連絡を取ってくれる。



 「御言葉をください」と言うと「あなたがたはこれらのことの証人です。(ルカ24:48)」と返事がある。双方向になった。孤独ではない。求め続けてきたことが実現している。「主は生きておられる」。



 受難週に歌われたクロアチア語の讃美(MP3):音声再生




日本基督教団赤坂教会

ザグレブ在住 清水節子

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