【CJC=東京】 ミャンマーの司教らが5月31日までバチカンを定期訪問した。教皇ベネディクト十六世は5月26日、同国司教団の最初のグループと会見した。教皇は、サイクロンによる被害で大きな打撃を受けたミャンマーの状況に深い憂慮を示した。
バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇はミャンマーのカトリック教会の貧しい人々への日頃の連帯を称賛、特に今回の自然災害による非常事態の中でテントや水、食糧、医薬品の配給に尽力している教会の活動をねぎらった。
1960年代、軍事政権によりカトリック教会の建物や教会系の病院・学校などは国有化され、239人の宣教師が追放された。国内には188人の教区司祭と60人あまりの外国人宣教師が残った。現在、ミャンマーには、マンダレー、ヤンゴン、タウンジーの3つの大司教区と、11教区がある。
仏教徒が約9割と国民の大多数を占めるミャンマーでは、カトリック信者は1・3%とごく少数で、その活動は軍事政権の厳しい監視下に置かれている。
同国への教皇の司牧訪問は実現していないが、84年、教皇ヨハネ・パウロ二世が隣国タイへ司牧訪問した際、また86年の南東アジア訪問の際、司教の代表らが教皇に謁見している。また司教団のバチカン定期訪問は80、85、96、01年に行なわれている。