【Christian Post=ワシントンDC】 福音主義指導者らは11〜12日まで米バージニア州アーリトンで開催され、国連事務総長も参加したフォーラムで力を受け、2日間に渡るフォーラム終了後、様々な社会問題解決へ向けたこれからの進展により大きな期待を寄せた。
貧困問題を取り組むキリスト教組織「世界にパンを(BFW)」会長のデイヴィッド・ベックマン氏は、米紙クリスチャンポストに対し、「今回のフォーラムは世界の貧困に立ち向かうために、より多くの福音主義者らが関わっていることが如実に示された。期待していた以上の集まりとなったと思う」と述べた。
BFWは、今回の全世界指導者フォーラムのスポンサーも務め、開催に協力した。今回のフォーラムには米国と南半球の福音派指導者らが参加し、皆一つとななって状況を分かち合った。
ベックマン氏によると、貧困対策政策への福音主義者らによる関わり度合いはここ数年急速に高まっており、「今回のフォーラムがその大きな証しだ」と述べた。
今回のフォーラムは、米国福音同盟(NAE)と米国ミカ・チャレンジが主催し、南北問題などの社会問題に関して福音主義指導者らの間で活発な議論を行うことに焦点が置かれた。議題は、貧困、飢餓、HIV・エイズ問題、人身売買、生命倫理、人権、自然環境保護、拷問および平和構築など多岐に及んだ。
潘基文(バン・キムン)国連事務総長は11日、フォーム開催に伴い、ミレニアム開発目標(MDGs)に関して演説を行った。MDGsには、極度の貧困・飢餓の撲滅、HIV・エイズ対策、児童死亡率の削減など8つの目標が含まれている。国連加盟各国は、これらの目標を2015年までに達成することを求められている。
ベックマン氏は、NAEが国連事務総長を招き、フォーラムを開催したことは画期的なことだったとし、「神が私たちに任務を任されるとき、我々の予知しないところに導いて下さる」と述べた。
世界192ヶ国が加盟する国際連合は世界各国を集約し、貧困、飢餓、病気の蔓延などの社会問題対策の進展に対して、各国に対策を求め、解決を呼びかける強力な力をもっている。それゆえにベックマン氏は、「NAEが国連を招いてミレニアム開発目標について話してもらったこととの意義は大きい。」と語る。
フォーラム出席者らは最終日、MDGsに掲げられている目標の多くで、非公開の議論を行った。フォーラムでは、南半球からの指導者らの声に耳を傾けることに特に焦点が置かれ、米国の指導者らは、南半球指導者らが必要としていることを聞くことができ、南半球指導者らの問題解決のために支援することができることを知って、大いに励まされた。
ベックマン氏は、「フォーラムで行われた議論では、まさに問題に直面している国々の指導者らと話をすることができ、さらに米国のキリスト教団体がこれらの対策の支援を行うことができるということを裏付けることができたため、すばらしい実りをもたらした」と述べた。
世界福音同盟(WEA)理事長のジェフ・トゥニクリフ師も、今回のフォーラムで力づけられたと述べた。一方、トゥニクリフ氏は議論は良い出来であったが、今後の行動がより重要だと述べた。「米国の主要な福音指導者らが世界福音共同体の懸念事項となっている問題により深く取り組み始めた画期的なフォーラムとなった。今後、この議論によってどんなことが起こるかが重要だ」と言う。
トゥニクリフ氏はサミット閉会演説を行い、世界の社会問題に光をあてる米福音主義者らに「力強い運動」を行い続けるように呼びかけ、「今後、米国の福音主義者らがどのような反応を示して行くか、注視していきたい」と述べた。