「今日も新しい人が来た。(教会の)敷居が高いのを下げてくれるのでは」「無理やりにではなく、神様の話を自然にできる。これは神様から与えられた大きな知恵。それに預かれることができ感謝です」。単立・小岩四恩キリスト教会(西村虔牧師)は毎週木曜日、昼のひと時をカフェタイム「ふぇいす」として地域に開放している。昨年11月に始めて以来、今年春にはこの「カフェ伝道」で受洗者も出た。毎週、数人が新しく訪れ、実りを結んでいる。
同教会では毎週木曜日の午後1〜2時、教会1階の多目的ホールを、コーヒーやお菓子を無料で出すカフェとして地域に開放し、地域の人々が気軽に教会に立ち寄れるようにしている。これまで路傍伝道を行ったり、英会話などを教えるカルチャーセンターを開いたり、また留学生を海外に送り出すような活動をしてきたが、なかなか教会に人が来てくれない。そのような中、「何とかして伝道してみよう」と思い、昨年11月の収穫感謝祭を記念して1ヶ月限定で始めた。
1ヶ月限定で行ったカフェタイムではあったが、そのとき教会を訪れた1人が、毎週のように教会に通うようになり今年春に受洗。今年4月からは毎週欠かさずカフェを開き、礼拝に参加するようになった人も多数出ている。
西村牧師は、「礼拝だと新来会者が1人来るか来ないか。しかし、カフェタイムでは毎週新しい人が6、7人は来る」と語る。特別にチラシを配って紹介するというような宣伝をするわけではないが、教会を1週間に1回、約1時間程度「カフェ」として提供するだけで効果は大きいようだ。
一方、このカフェタイムは信徒にとっては、まさに「伝道の場」「信仰の実践の場」となっている。同教会では毎週木曜日の午前中、セルリーダーの養成、聖書研究会、セルグループに分かれての食事、教会の清掃などを行う。「どう人を導くのか」「聖書には何が書かれているのか」を学んだ後、ある人は通りに出て呼び込みをし、ある人はコーヒーやお菓子を作り、またある人は教会に訪れた人と会話する。「魂を救う」という最終目標に向けて、役割を分担し、互いに協力するのである。
「それぞれの賜物を生かしたチームワークになっている」と西村牧師。「イエス様が与えてくださった知恵です」と語る。また、時間を1時間程度と短めにするのも1つのポイントだと言う。時間が長ければ集中力が落ち、疲れてしまう。短い時間であれば、新鮮さがあり、「次回ももっとやりたい」という気持ちになる。夏には外国から来る宣教師が、カフェ内のテーブル1つを使って英会話のできる場所を作った。これにも興味を持つ人が増えてきたという。
カフェタイム「ふぇいす」は今年冬まで行う予定。場所はJR総武線小岩駅から徒歩10分程度。問い合わせは、小岩四恩キリスト教会(江戸川区東小岩井6‐9‐1、電話:03・3657・5204)まで。