世界教会協議会(WCC)では、北半球のキリスト教会では1月18日から25日にかけて、南半球のキリスト教会ではペンテコステの期間中に、世界中の教区、教団においてキリスト者の一致のために祈る祈りの週間として定めている。同期間にはWCCに属する教団・教区の聖職者、牧師らが互いの教会に説教者として派遣され、超教派による礼拝が行われる。
特定の地域の加盟教会には、同祈祷週間のための祈りのテキストの準備が求められている。今年度の祈祷週間のためには、インドキリスト教青年運動(SCMI)が招かれ全インド大学連盟とインド教会協議会(NCCI)と共に作成作業が行われた。インドではカースト制による不可触民に対する差別の問題、女性の尊厳の問題、貧困解決の問題など、キリスト者が一致して祈るべき課題が多く生じている。インドのキリスト教徒の8割近くが不可触民の背景を有しているという。一方でインドの諸教会は21世紀に急激に成長してきたものの、日本と同様、欧米の教会の教派分裂の影響を受け、教派間の一致がなされていないままとなっているという。
WCCの後援するプロテスタント教会、東方正教会およびローマカトリック教会の祈祷週間参加者らが特定の地域の事象を基に作成されたテキストを編集し、世界の諸教会一致を追求するための祈祷テキストが作成される。同テキストはキリスト者の一致促進のための高位聖職者会議、WCCおよびWCC信仰職制委員会によって共同で出版される。最終的に完成された祈祷テキストはWCC加盟諸教会およびローマカトリック諸教区に配布され、その後それぞれの教会のためにテキストが編集され用いられる。
2013年祈祷週間の主題聖句は「主は私たちに何を求めておられるのか?(ミカ6・6~8)」となっている。祈祷週間のための小冊子は英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語でオンライン上でダウンロード可能となっている。ローマカトリック前教皇ヨハネ・パウロ2世は「見せかけの階級社会に基づくキリスト者間の偏見は、人類の真の一致を妨げ、本来の霊性を脅かし、教会が福音を伝える使命を妨げる深刻な問題となる。正義と一致、平和の神が、私たちが主にあって成すべきことを成せるよう強めてくださるように」と伝えていた。今年度祈祷週間の主題はこのメッセージを基にミカ書6から引用されている。
祈祷週間では日に応じて8つの副主題も定められている。1日目は「対話の中で共に歩めるように」、2日目は「キリストの壊れたからだが共に歩めるように」、3日目「自由に向けて歩むように」4日目「地上の子どもとして歩むように」5日目「イエスの共として歩めるように」、6日目「壁を取り払って歩めるように」7日目「一致の中で歩めるように」8日目「祝福の中で歩めるように」となっている。
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