ナイジェリアメソジスト教会大司教のマイケル・ケヘンディ・スティーブン氏は、キリスト教徒とイスラム教徒が世界中で手を取り合っていくことで、ナイジェリア国内の宗教的対立で生じている過激派による暴力活動を解決していく道を提唱している。世界教会協議会(WCC)がスティーブン氏にインタビューしたところによると、スティーブン氏は「ナイジェリアではイスラム教共同体とキリスト教共同体の指導者の両方が暴力を非難しています。1999年以来、ナイジェリアの異宗教間協議会(NIREC)が一連の攻撃や殺人を宣言した報復措置、教会やモスクの焼き討ちなどの暴力活動を鎮静化させるために協力して活動してきました」と述べているという。
ここ数週間にわたって、イスラム教指導者らがキリスト教徒と共に、ナイジェリアのイスラム教急進派組織ボコ・ハラム(「西洋の教育は罪」)によるナイジェリア国家へのシャリア法の適用を促進させ、ナイジェリア国内から西洋教育の影響を排除しようとする動きに感化された暴力活動を非難するようになってきているという。
ナイジェリアは北部にイスラム教徒、南部にキリスト教徒が主に在住している。スティーブン氏は「私たちはナイジェリアがひとつの国家として存続していくことを願っていますが、今日の状況下では地政学的な分断が生じることを国民の多くが懸念するようになっている状態にあります。このような時にあって、信仰共同体が共に働き、互いの共同体の間に相互の信頼を築き上げて行く活動が不可欠です。私たちの教会はまだ異宗教間の対話のための一致した計画が策定されていない状態にあります。そしてナイジェリア政府が再び信頼を取り戻し、国家としての一体感を啓発していくことができるかということが互いにとっての課題になっています。1960年代後半に生じた紛争の悲劇が再度生じることのないようにしていかなければなりません」と述べている。
スティーブン氏は21世紀のエキュメニズムに関する報告書を準備する国際キリスト者パネルのモデレーターとして、2013年世界教会協議会(WCC)第10回総会で奉仕する。エチオピアのアジスアベバで今月14日から19日に欠けて開催されたその準備会議の際に同氏のインタビューがWCCによって行われた。インタビューの際、スティーブン氏は会議出席者らに対し、世界共同体によってナイジェリアに対する祈りや関心が示されていることに感謝の意を表した。また同氏は「キリスト教徒とイスラム教徒双方の国際的似評判の高い人々による視察団を任命する動きが促進されていくことを楽しみにしています。視察団によって現在ナイジェリアで生じている暴力が間違った行為であることを、異なる信仰を持つ宗教者が共に言論によって発信していくことができます。そして私たちはナイジェリアが平和を求める国として結束した国家となってくれることを願っています」と述べている。
スティーブン氏はさらにナイジェリアキリスト者協会(CAN)およびナイジェリア教会協議会(CCN)へ超教派による強い支援を行う必要があるとし、これら二つのナイジェリアのキリスト教組織が、ナイジェリアの情勢に対応できる力を高めていく必要があると述べた。
同氏は「ナイジェリア政府および国民は、今現在ナイジェリアで生じている問題がもはや局所的な問題ではないことを認識し、問題を解決する行動に出ていく必要があります。国際的に深い懸念の生じる要因となっており、伝統ある信仰共同体が共になって解決の道を模索していかなければなりません」と説明した。
スティーブン氏は、長期的な視点で国際キリスト教共同体がスーダン南部の独立の際に成されたのと同様に「エキュメニカル大使」を任命する必要性を指摘した。エキュメニカル大使によって諸教会とCANやCCNのような国家的で超教派の組織とつながっていくことができるとし、「エキュメニカル大使の派遣やその他の方法でこれらの組織と定期的なコンタクトを取って行く必要があります。世界諸宗教共同体がNIRECやCAN、CCNを支援し、情報を体験を共有していくことで、平和のための共同体がさらに強化され、最善の方法で行動をとっていくことができるように促していくことにつながるのではないかと思います」と述べた。
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