2011年は東日本大震災から始まり、世界でも大洪水や経済などに様々な難題がありました。その難題は年末になっても落ち着かないままクリスマスを迎えました。救い・幸せ・喜びを実現して下さる救い主の現れを祝う日です。このイエスに焦点を当てて歩むことで、弱さや思い煩いがあってもスムーズに進むことができます。救い主を受け入れ、主が来られた喜びを自分のものとしましょう。
1.キリスト以前とキリスト以後
聖書は、イエスの誕生を境に旧約と新約とに分かれています。旧約の時代は人々が救い主の到来を待ち望み、神の救いや御業の実現を求めながらも、人間の力ではそれを実現することができずに四苦八苦していた時代。新約の時代はイエスの誕生により、神の御業が実現された時代。そこには全く違う二つの世界があります。西暦では、イエスがこの世に飛び込んで下さった時からもう2012年を迎えることになります。日本では、天皇陛下が亡くなられたら新たな年号に変わってしまいます。しかし、イエスは今も生きて働かれているお方ですから西暦2012年という数え方はこれから先も変わりません。
それでは、私たちがイエスを受け入れて信じたキリスト以後とキリスト以前ではどんな変化があるでしょうか。ここに「恐れ」と「喜び」というとても対照的な言葉が出てきます。取り巻く恐れや不安に閉ざされていた私たちが、喜びと平安と幸せを頂ける人生へと変えられるということです。人の心は弱く、地震などの恐怖だけでなく、神の偉大さに触れる時でさえも恐れてしまいます。羊飼いたちも初めは御使いを恐れました。それは、恐怖に支配されていたキリスト以前の私たちの姿です。イエスを知ったキリスト以後の私たちは、今まで味わったことのない新しい感動や躍動感を体験できます。その中心は喜びです。
2.傍観者から当事者へ
恐れから喜びへの変化を与えられた私たちには神の子どもという特権が与えられています。「今日ダビデの町で」とあるように、昨日、明日、ではなく「今日」つまり「今」なのです。あなたのために来て下さったのです。神の恵みと祝福は、宝くじのように誰に当たるか分からないというものではありません。救い主がきて下さったという事実を受け止めることで、今まで他人事のように傍観者だった者から、直接神から恵み、喜びを頂ける当事者へとなれるのです。
3.賛美する者へ
羊飼いたちは知らせを聞いただけではなくて、救い主を探し求め、飼葉桶に眠っているイエスを見ることによって、その知らせが事実であることが分かりました。そして20節には、「羊飼いたちは神をあがめ、賛美しながら帰って行った」とあります。その賛美は、初めて御使いに会った時に聞いた賛美でしょう。それまで、羊飼いたちは賛美を知ることもなく過ごしてきたにもかかわらず、賛美する者へと変えられたのです。それは、羊飼いたちがイエスに出会い、受け止め、当事者となったからです。恐れから喜びに変わるだけでなく、その喜びは賛美へと実体化されます。私たちは、キリスト以前ではなく、キリスト以後を歩みたいと思います。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。