2004年12月にインド洋スマトラ島沖で発生した大津波から一年が経過した。スリランカでは、キリスト教団体による救援活動でキリスト教徒と仏教徒の関係が以前と比べ親密になったという。
米合衆国長老教会(PCUSA)の発行する月報によると、津波で4000人が死亡したスリランカ・ガール地方南部の町でメソジスト系教会を担任する牧師は「津波後、仏教徒の人々と協力して復興活動をするようになり、宗教間で信頼関係が育まれている」と述べた。
当初、キリスト教徒が生存者のために避難所を建設しようとした際、キリスト教会を建てるのではと心配した仏教徒の人々は抗議しようとしていた。
同じ牧師によると、仏教徒らはキリスト教徒たちが本当に仏教徒の家庭のために家を建てていることを知り、建設を手助けするようになった。
スリランカの首都コロンボから約50キロ南に位置する村では、バプテスト教会が被災者のための仮設住宅を建設しようとした際、地元の仏教徒たちが建設に反対した。教会関係者と地元の仏教の高僧による話し合いを経て、この高僧が家々を訪ねて建設と救援活動について説明をし、住民らの理解を得ることができた。建設には両宗教の信徒が協力した。
「津波以前、仏教徒たちは、キリスト教徒が社会奉仕を通じて仏教徒を改宗させようとしているという懸念があった。しかし今回の活動でそのような誤解が解消された」と同牧師は語った。
スリランカ・キリスト教協議会議長、ペレーラ牧師は世界教会協議会(WCC)発行のニュースレターの中で「救援活動は確かに仏教徒との間に調和と理解をもたらした」と報告した。
スリランカの国民の70%、2000万人が仏教を信仰しているとされている。一方、キリスト教徒の割合は6%という。