・・・もしあなたがたがよく考えもしないで信じたのでないなら、私の宣べ伝えたこの福音のことばをしっかりと保っていれば、この福音によって救われるのです。私があなたがたに最もたいせつなこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。キリストは、聖書の示すとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、また、葬られたこと、また、聖書に従って三日目によみがえられたこと、・・・(第一コリント人への手紙15章1節〜5節)
当時コリントは、文化的にも進んだ最先端の都市でした。そして現代の先進国の大都市と同じように、人々はわがままで風紀も道徳も乱れ、教会にも問題が絶えませんでした。パウロがその人々に対して、クリスチャンとしての生き方を細かく指導したのがコリント人への手紙で、この15章は手紙の締めくくりの部分です。ここでパウロは、もう一度基本の信仰の原点に立ち返りましょうと語ったのです。
クリスチャンとして私たちがイエスを信じて生きるとはどういうことでしょう。信仰生活とはなんでしょう。難しい解釈の前に、私たちは最もシンプルで誰もが掴んでおかなければいけない原点に立ち返りたいと思います。立ち返るべき信仰の原点、基本を分かち合いましょう。
1.福音を受け止める
教会に来ると何がありますか?そう、福音の言葉があります。それは良いニュース、それによって救われ信仰の土台となる素晴らしい知らせです。
私たちは幸せになるために、私たちの力だけでは、どうしても掴み取ることのできない、神によって救われた人生を頂ける場所である教会に集っています。
パウロは語りました。「あなたがたに福音を語ります。」これを掴んでいればあなたがたは救われている、そういう知らせです。神は生きるキリストの体であるこの教会を通して私たちにグッドニュース、福音を与えて下さいます。
教会に連なりイエス・キリストの恵みに連なっているあなたは必ず幸せになります。「教会に行って何か良いことあるの?どんなことがあるの?」と聞かれて、あなたはどう答えますか?私たちはあっさり答えましょう。「教会に行くと幸せになる方法が見つかる。教会に行って私たちは本当に心が救われるノウハウを頂ける。そして、永遠の命まで頂ける。そこには素晴らしい道がある。」と。
私たちは、イエス・キリストが与えて下さった良い知らせを頂いていることを感謝しましょう。私たちには福音の言葉があります。
2.聖書の約束を信じる
クリスチャン生活は全て聖書の御言葉に基づくものです。パウロも、彼自身の言葉ではなく、聖書の語る通りに語ったのです。
神の御言葉は変わりません。全てのものが簡単に変わっていく時代にあって、私たちは永遠に変わらない神の御言葉を頂いているので実に感謝です。主の御言葉は、私の足の灯火、私の道の光りです。その御言葉である聖書を毎日読み、告白しようではありませんか。御言葉を掴み取っていきましょう。
3.イエス・キリストの事実がある
福音の核となる最も重要なことは、聖書のお約束通りのことが起こったということです。それは、主イエス・キリストが神のひとり子として私たちのために来て下さり、私たちの罪を背負って私たちのために苦しまれ、十字架の上で死なれたこと。死んで葬られ、聖書の約束の通りに3日の後に死の力を打ち破りよみがえられ、ペテロに現れ、12弟子たちに現れ、私たちによみがえりの命を、聖霊の働きの中で与えて下さったという、イエス・キリストの十字架の死とよみがえりの事実です。このイエス・キリストの事実をなくしてはなりません。
イエスと結び合わされ、単なる共感や共鳴以上の、本当に命が完全に重ね合わされて、一つのものとなる、それがイエスを信じているクリスチャンの生き方です。
イエス・キリストが私の罪を背負って十字架で死なれ、私の罪を取り除き死の力を打ち破ってよみがえって下さった。そのキリストを心の中に受け止める一人一人でありたいと思います。
様々な応用編や、多様性や、あるいは難しい深みを学ぶ前に、基本を忘れてはいけません。イエスによって私たちは救われています。
さあ、信仰の原点に立ち返りましょう。イエスが私たちの救い主であり、私たちを変えて下さるのです。その恵みを頂いて前進しましょう。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。